ザ・悟り

準備

使用カード:トランプ 1組 25枚

絵札(J, Q, K)のうち 10枚

平札(2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, A) のうち 15枚

ゲーム中、絵札を「雑念(ざつねん)カード」、平札を「悟り(さとり)カード」と呼びます

ゲームの勝敗

順番に 1枚ずつ手札を出していきます。勝つためには連続して「悟りカード」を出し続けなければなりませんが、周りはあなたの出す「悟りカード」を奪わんと狙っています。いち早く、他よりもたくさんの「悟りカード」を連続して積み重ねた人が勝ちです。

物語

あなたは他の修行僧とともに悟りの境地を目指して今日も瞑想に励んでいます。

しかし、気をつけて。この道場で修行する仲間はみな、「他人の瞑想」を盗み取れる特殊能力の持ち主なのです。

油断すればあなたの悟りは、他のプレイヤーに奪われてしまうでしょう。瞑想の成果を奪ったり奪われたりしながら、さて、誰がいち早くより高い悟りの境地にたどりつくでしょうか?

配り方

ゲームを始めるにあたり、各自、絵札2枚と平札3枚の合計5枚をとります。数字の大小はゲームの進行には関係しません。

全員が5枚ずつカードを取ったら、残ったカードはゲームに使いませんのでしまっておきましょう。

ゲーム開始

最初の手番は、最も悟りの境地に近い人からはじめます。それぞれの境地がわからない場合は、じゃんけんなどで適当に決めます。

自分の番にできること

自分の番には、次の 3つのうちいずれか 1つをおこないます。

(a)手札からカードを1枚出す

(b)ゲームを終了する

(c)手番をパスする(手札が無いときのみ選択できます)

それぞれ詳しく説明します。

(a)手札からカードを1枚出す

手札の中から好きなカードを 1枚、裏向きに伏せて、自分の前に出します。これまでに出したカードがあれば、出すカードが一番上になるように、重ねます。自分の出したカードは、ゲーム中、いつでも確認してかまいません。

上の例は、手番の人が 1枚カードを伏せて出し、瞑想を深めたところです。

目安として 5秒ほど待って、喝(あとで説明します)をおこなう人がいないことを確認してから手番を終了し、次は左どなりの人の番になります。

このようにして、順番にカードを出しながら、互いに瞑想を深めていきます。

(b)ゲームを終了する

自分の前に重ねたカードのうち、上から順に(出した順ではありません!) 悟りカードを 3枚以上連続して重ねたら「悟りました」と宣言し、ゲームを終了させることができます。

カードを出した直後に宣言するのではなく、手番の最初に宣言することに注意して下さい。

「悟りました」と宣言したひとは、まず自分の出したカードを上から順に公開し、悟りカードが何枚連続しているかを示します。

上の例は、最初から悟りカードを出し続け、自分の4手番目に「悟りました」と宣言したところです。

(c)手番をパスする

手札が無いときにのみ、手番をパスすることができます。今回の手番をパスすると全員に伝え、手番を終了し、次は左隣の人の手番になります。

他人の番にできること

ゲームから脱落していない限り、他の人の番に「喝(かつ)!」をすることができます。

「喝!」は、今回の手番で出されたカードが「悟りカード」だと思うときに、手番外の人が宣言することができます。「喝!」の宣言は早いもの勝ちなので、いち早く宣言した人、ひとりだけがおこなえます。

宣言がほぼ同時で判断しづらいときは、手番の人から時計回りに数えてより近い人が「喝!」した人とみなします。

上の例では、手番に出されたカードが「悟りカード」と思われたため、「喝!」を宣言したところです。

「喝!」された人は、「喝!」をした人に今出したカード 1枚を伏せたまま渡します。

「喝!」判定

「喝!」をした人は、今渡されたカードを表に向けて全員に公開し、「喝!」が成功したかどうかを判定します。

上の例では、公開したカードは「悟りカード」でした。「喝!」は成功です。

「悟りカード」だったとき

公開したカードが「悟りカード」だった場合、「喝!」は成功です。

「喝!」した人は、公開した「悟りカード」を伏せて、自分の出したカードの山札の上に重ねます。

「喝!」をした場合も手番順に変更はありません。次の手番が脱落した人だった場合、その左隣の人に手番は移ります。

「雑念カード」だったとき

公開したカードが「雑念カード」だった場合、「喝!」は失敗です。

「喝!」した人はゲームから脱落し、即座に負けが決定します。この後のゲーム進行は、脱落した人を飛ばして手番を進めて下さい。

上の例では、公開したカードが「雑念カード」であったことから「喝!」した人が脱落した例です。

この後「喝!」された人は、「喝!」した人(いま脱落した人)から「悟りカード」1枚と「雑念カード」1枚を受け取り、手札に入れます

珍しい状況ですが、「喝!」した人が手札にも山札にも「悟りカード」がなかった場合のみ、「喝!」された人は「悟りカード」を受け取れず、「雑念カード」1枚のみを受け取ります。

「喝!」をした場合も手番順に変更はありません。次の手番が脱落した人だった場合、その左隣の人に手番は移ります。

ゲーム終了

誰かが「悟りました」と宣言するか、全員の手札がなくなった場合、あるいは、ひとりを除いて他すべての人が脱落した場合にゲームが終了します。

ゲームの勝敗は直近の悟りの深さで決まります。「悟りました」と宣言をした人を除き、その他の脱落していない人は、各自の山札を確認して上から順に連続した「悟りカード」を公開します。

連続した「悟りカード」が最も多い人が勝ちです。

連続した「悟りカード」枚数最多が複数いたときは、「悟りました」と宣言した人(誰も宣言しなかった場合は、最後に手札を出した人)から時計回りに数えて、それらの人のうち最も遠い人が勝ちです。

上の例では、「悟りました」と宣言した人と同数の「悟りカード」枚数の人がいました。このふたりのうち、宣言した人から時計回りに数えて遠い方の人の勝ちです。

おうちの方へ

    • ろれるり堂さんが創作したゲームで、初出はゲームマーケット2018春(2018年 5月 5日)です
    • もともとはオリジナルのカードデザインを採用したゲームでしたが、作者意向により個人として楽しむ範囲においてトランプ等の代用が認められています
    • 作者了解のもと、本コーナーにて創作トランプゲームとして紹介いたしました

作者より

本作は当初オリジナルカードゲームとして考案しました。どれだけシンプルなアートワークでゲームを成立させられるか、というテーマで制作したもので、オリジナルでは「悟りカード」は表裏とも無地、「雑念カード」は表にごちゃごちゃの線、裏は無地、というデザインになっています。(カードの自作も公認ですので、興味がある方は是非自作してみてください)

あまりにシンプルなアートワークなので、値段付けて売る商品にもしづらく(しましたが)、今回トランプゲームとして紹介されたことは、たいへん嬉しく思います。

なお、現在構想中のカードゲームも基本的にはオリジナルカードを使用するものですが、トランプゲームとしてプレイできるアレンジバージョンも発表するつもりです。

参考文献