オニオンタ ホイスト
準備
使用カード:1組 22枚
各マーク A, 10, J, Q, Kと 大ジョーカー 1枚, 小ジョーカー 1枚
(見分けが付くようなジョーカー2枚を含むトランプをご用意ください)
得点記録紙:
得点記録用の「メモ用紙」と「筆記用具」
カードの強さ:
強い順に、 A, K, Q, J, 10
切り札のマークでは、強い順に 大ジョーカー, 小ジョーカー, A, K, Q, J, 10
配り方
このゲームではプレイヤーはひとりしかいません。便宜上、対戦相手をダミーハンドと呼びます。
まず、ダミーハンドから 1人 1枚ずつ、ダミーハンドと自分へ順番に 1人 9枚になるようカードを配ります。ダミーハンドへのカードはひとつの山となるように配ります。残った 4枚のカードはひとつの山にして裏向きのまま置きます。そのあと、山札のいちばん上のカードを 1枚だけ表にして、切り札を決めます。
上の例では山札の 1番上のカードは Jのハートでした。この場合、切り札はハートになります。
もし切り札指定のカードがジョーカー(大ジョーカーでも小ジョーカーでも)だった場合は、切り札なしとなります。
獲得トリック数の宣言
これから、ダミーハンドと9回のカードの取り合いをおこないます。あらかじめ、自分の手札を見て、今回の勝負で何回勝てるかを宣言します。宣言できる数は0~9の10通りです。宣言した回数は得点記録用の紙に「ビッド数」として記録しておきましょう。なお、ダミーハンドの山札の中身を見てはいけません。
上の例では、手札を見て「4回」勝つという宣言をしたところです。「トリック」という言葉はこのあと説明します。
ゲーム開始
つねにダミーハンドの手番からはじめます。ダミーハンド用に配ったカードの山から、1番上のカードを1枚、表にして出します。この最初に 1枚出すことを「リード」と呼びます。
トリックの勝敗
自分の手番になります。リードされたカードと同じマークのカードを持っていれば、必ず同じマークのカードを出します。ダミーハンドが 1枚、自分が 1枚カードを出したら(これを「1トリック」とよびます)、一番強いカードを出した人が、そのトリックに勝ちます。
上の例では、ダミーハンドが Jのダイヤでリードし、自分が Kのダイヤを出したところです。同じマークで、より強いカードを出したのでこのトリックは自分の勝ちです。
トリックに勝った人が使ったカードをトリックごとの束にして取っていきます。
とったトリックは裏向きにして、お互いに何トリックとっているのかが わかるように置いておきます。
同じマークのカードが手札に複数ある場合、どれを出してもかまいません。
上の例では、ダミーハンドが Jのスペードでリードしています。自分は 10のスペードを出しトリックにわざと負けました。
Kまたは Aのスペードを出せばトリックを取ることができました。このようにして、宣言した「獲得トリック数」に近づくよう調整します。
ジョーカーは切り札になる
ジョーカーは、大ジョーカー、小ジョーカーいずれも切り札と同じマークの扱いになります。
上の例では、ダミーハンドが Kのハートでリードしました。ハートマークは切り札です。自分の手札には Qのハート、 Aのハートの他に、小ジョーカーがありました。今回出せるのはこの3枚のうちのいずれかになります。
例えば手札の中にハートのカードが無かったとしても、手元にジョーカーのカードがあったならば、ジョーカーを出さなければなりません。逆に、ジョーカーでリードされた場合は、ジョーカーの他に、切り札のマークのカード(この例だとハート)を出すことができます。
切り札なしの場合のジョーカー
切り札なしの場合でも、ジョーカーは特別に切り札扱いになります。この場合は、ジョーカーでリードされた場合はどのカードを出しても必ずリードに負けます。
同じマークが無かったら
自分が出したカードが、リードとちがうマークのカードだった場合、たとえ強いカードを出しても勝つことはできません。
ただし、切り札は例外で、切り札と同じマークまたはジョーカーのカードを出すと逆に勝てます。
上の例では、10のクラブでリードされましたが、クラブのカードを持っていなかったので Aのハートを出すことができました。ハートのマークは切り札なので、カードの強さに関係なくこのトリックに勝ちます。もしジョーカーを出したなら、切り札なので同じように勝ちましたし、スペードのカードを出せば負けていました。
「切り札なし」の場合、ジョーカーを出せるのは手札にリードのマークが無い場合に限られます。
ゲーム終了
手札が無くなると1試合の終了です(カードを配るところから手札を使い切るまでを 1ディールといいます)。取ったトリックがディールのはじめに宣言した獲得トリック数(ビッド数)と同じかどうかを確かめます。
宣言した「獲得トリック数(ビッド数)」と実際に獲得したトリック数を比較し、このディールの得点を決定します。
例を挙げると以下のようになります。
- 宣言が 0で獲得トリックが 1だった場合、得点はマイナス10点(1トリックも取らない宣言をして失敗したため)
- 宣言が 5で獲得トリックが 3だった場合(未達だった場合)、得点はマイナス 5点(=宣言トリック数だけマイナス)
- 宣言が 5で獲得トリックが 5だった場合(達成だった場合)、得点はプラス 5点(=宣言トリック数だけプラス)
- 宣言が 5で獲得トリックが 7だった場合(超えてしまった場合)、得点は マイナス 2点(=宣言数 - 獲得トリック数)
上の例図では、4トリック宣言して 4トリック達成したため、このディールの得点は 4点になります。
このディールの得点を記録したあと、次のディールを始めます。ゲームは全部で 9ディールおこない、9ディール目が終わったときに各ディールの合計点数を計算します。
得点合計が31点以上なら成功、30点なら引き分け、29点以下なら失敗です。
こんな遊び方もあります
- 上で紹介した得点計算と達成目標は Edward Allard氏が提案するバリアントルールです。作者が規定した基本ルールとは異なります。
- 2~6人で遊ぶルールもありますが、ここではソリティア(ひとり遊び)用のルールのみをご紹介しました。
ご家族の方へ
- ひとり遊び用のゲームですが、お子さんと一緒に相談しながら遊ぶことで、普段は見ることができないお子さんの「考え方」の一端を知る良い機会になるでしょう。また、会話を通じて、戦略的なカードの扱い方やビッドの考え方について学ぶことができるでしょう
- 一人用のゲームとしては、ゲームで使用するテーブルスペースが小さめなので、割といろいろなところで暇つぶしに遊ぶことができます
参考文献
ルールを紹介するにあたり、以下の文献・コンテンツを参照しました。
- Oneonta Whist - Togetter http://togetter.com/li/464308
- Oneonta Whist | Board Game | BoardGameGeek http://boardgamegeek.com/boardgame/31266/oneonta-whist
ルール紹介をおこなうにあたり、草場純先生の「夢中になる!トランプの本」の影響を大きくうけています。関係者の方で、問題があるとの判断があればご連絡ください。