準備
使用カード:トランプ 1組52枚(3人のときは 2〜6を除く 32枚)
得点記録紙:
獲得トリック数の宣言と得点を記録するための「メモ用紙」と「筆記用具」
メモ用紙の代わりに、このスコアシートを人数分用意して使うのもいいでしょう
カードの強さ:
(強) A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 (弱)
自分ともうひとりが何回トリックを獲得できるか、それぞれ予想(目標)します。うまく当てた人が高得点を得、決まった回数を遊んだ後の合計点を競います。最も獲得得点の大きな人が勝ちます。うまく他人の予想を外しながら、自分の目標を達成しましょう。
親(ディーラー)は左隣の人から順番に、 1人 1枚ずつ、決まった枚数(後で説明します)になるようカードを配ります。残った山札はひとつの山にして裏向きのままテーブルの脇に置きます。
配るカードの枚数は、次の表のとおりです。
山札のいちばん上のカードを 1枚だけ表にして、切り札を決めます。
上の例ならば、山札から 8のクラブがめくられたので、切り札はクラブになります。
次に、配られた手札を見て、この手札で何回勝つかを予想します。注意するのは、ゲーム中、この手札を使って勝負するのは別の人だという点です。
この手札をゲーム中、だれが使うかは次の表を見て下さい。丸印がゲームの参加者です。赤色が自分、青色が今手元にある手札を(このあと)わたす相手です。わたす相手がこの手札で何回勝つかを予想するのです。赤い丸だけのところは、カードの交換がありません。この場合は「相手」というのは「自分」のことを指すよう読み替えてください。例えば6人で遊ぶ時の第6ディールなどが該当します。
わたす相手はゲームの参加人数と何ゲーム目(ディール数)かによって変わります。カードを配るところから手札を使い切るまでを 1ディールといい、第1ディールの次は第2ディールというふうに進んでいきます。ゲームの一番最初は第1ディールです。
予想した数は各自のメモ用紙に「予想(よそう)」として記入しておきます。予想には 0を書いてもかまいません。また、予想した数字は他の人には秘密にしておきます。
全員が記入し終えたら、つぎに、手札を裏返したまま、相手にすべてわたします。わたす相手は先ほどの表のとおりです。手札の交換は全員が1回おこないます。
上の例では遊ぶ人数が 3人で、ゲームの一番最初なので第1ディールです。第1ディールでは自分の左どなりの人に手札をわたします。
次に、別の人からわたされた新しい手札を見て、この手札で自分が何回勝つかを予想します。これを先ほどと同じように、各自のメモ用紙に「目標(もくひょう)」として記入しておきます。目標には 0を書いてもかまいません。また、予想した数字は他の人には秘密にしておきます。
例えば、6人で遊ぶ時の第6ディールのようにカード交換が無かった場合でも「予想」と「目標」に違った数字を書いて構いません(もちろん同じ数字を書いてもかまいません)。
全員が記入し終えたら、親の左隣の人の順番から始めます。親の左隣の人は手札から好きなカードを 1枚、表にして出します。この最初に 1枚出すことを「リード」と呼びます。
手札から1枚出すと、その人の手番は終了です。つづいてさらにその左隣の人の手番になります。このようにリードした人から順に時計回り(左隣の人へ順番が移る)にひとり 1枚ずつ手札を出していきます。
上の例では、親の左隣の人が 7のハートでリードしました。
自分の番にできること
自分の手番が来たら、手札の中からカードを 1枚選んで出します。リードされたカードと同じマークのカードが手札にあれば、必ず同じマークのカードを出します。
上の例ではリードの7のハート、Kのハートにつづき、10のハートを出したところです。全員ハートのカードを持っていたためハートのカードを出しました。
同じマークが無かったら
リードされたものと同じマークのカードがなければ、その場合にかぎって、他のマークのカードを出します。リードとちがうマークのカードだった場合、たとえ強いカードを出しても勝つことはできません。ただし、切り札は例外で、切り札と同じマークのカードを出すと逆に勝てます。
全員が順番に1枚ずつカードを出したら(これを「1トリック」とよびます)、リードのマークと同じカードのうち一番強いカードを出した人が、そのトリックに勝ちます。もし、出されたカードのうち、切り札のマークがあった場合は、切り札のマークを出した人のうち、一番強いカードを出した人が、そのトリックに勝ちます。
トリックに勝った人は、今回のトリックで使われたカードを束にしてまとめ、裏向きに伏せた状態で自分の前に並べます。並べるときは、自分が何回勝ったのかがわかるように並べます。2トリック目からは、直前のトリックで勝った人からリードします。
上は例の続きです。リードの7のハート、Kのハート、10のハートが出されていました。全員リードのマークであるハートであったことから、全員のカードを見比べます。このうち一番強いカードは Kでした。このトリックはKのハートを出した人が勝ちました。
例の続きです。トリックを獲得した人が次のリードとして手札から1枚のカードを出します。
リードする手札がなくなると 1試合の終了です。
上の例では、それぞれ3トリック、5トリック、2トリックを獲得したところです。
ディールの開始時にメモに書いた「予想」「目標」を確認し、このディールの得点計算を各自おこない、記録します。
「予想」はディールの開始時に手札を渡した相手が獲得したトリックの数と、「目標」は自分が獲得したトリックの数を比較します。また、得点計算は人数によって一部変わります。
3人または4人のとき
5人または6人のとき
①予想、②目標、③自分が獲得したトリックそれぞれの得点を合計したものが、そのディールの合計得点です。場合によってはディールの合計点数が0点を下回る場合もあります。
今回のディールの親だった人の、左隣の人が次のディールの親になります。
ゲームは決まった回数のディールを終了した時に終了します。終了となるディール数は次のとおりです。
各ディールの得点を合計し、最も得点の高かった人が勝ちです。最も得点の高い人が複数いる場合は、互いに勝利をわかちあいましょう。
3人で遊んでいる時のものを例に、5つほど示します。
例1:「予想」も「目標」も正解(達成)した場合
「予想:2、目標:5」として、相手が2トリック、自分が5トリック獲得した場合は以下の計算になります。
このディールの合計点は 5点+5点+5点の、15点です。
例2−1:「予想」は正解、「目標」が失敗した場合(目標を超えてしまった場合)
「予想:2、目標:3」として、相手が2トリック、自分が5トリック獲得した場合は以下の計算になります。
このディールの合計点は 5点+(−6点)+5点の、4点です。
例2−2:「予想」は正解、「目標」が失敗した場合(目標を下回ってしまった場合)
「予想:2、目標:3」として、相手が2トリック、自分が1トリック獲得した場合は以下の計算になります。
このディールの合計点は 5点+(−2点)+1点の、4点です。
例3:「予想」が違い、「目標」は達成した場合
「予想:2、目標:5」として、相手が3トリック、自分が5トリック獲得した場合は以下の計算になります。
このディールの合計点は (−1点)+5点+5点の、9点です。
例4:「予想」も「目標」も違っていた場合
「予想:2、目標:3」として、相手が3トリック、自分が5トリック獲得した場合は以下の計算になります。
このディールの合計点は (−1点)+(−6点)+5点の、マイナス2点です。
実際にプレイした例をスコアシートの形で共有します。(各位、公開に際し快く承諾いただきありがとうございます)
こんちは!ビッド系トリテがド下手なスゲと申します。そんな私がタイトル先行のダジャレで思い付いたのが「読みビッド知らず」でした。ちなみに思いついたのはお風呂でした。
裏テーマとして、自分の手札を見てビッドしてもちっとも当てられないのなら、この手札を丸ごと他人に渡してしまいその人が取るトリック数をビッドすればハズレても人のプレイングのせいにできるではないか!やったぜ!というものもあったのですが、これは墓場まで持っていく秘密です。
ちなみに私が考案した当時の「読みビッド知らず」は手札がたしか5枚、手札の移動は下家のみ、得点まわりは超テキトーというモノで、このページに載っているノーティスの洗練されたルールとは似ても似つかない原始的なものでした。
正直、アイデア一発のまともなゲームではなかったと思うのですが、発表した場所がTTP(トリックテイキングパーティー、一日中トリテしかやらないマニア度100%のイベント) だったのが良かったのか、なんか思った以上にウケが良くビックリしたのを覚えています。あの場所でなければこんな「無回転5回ひねり」みたいなトリテはマトモに遊ばれもしなかったでしょう。
ただ、せっかくオモシロの片鱗を見せたこのゲームも、生来のセンスの無さとモノグサが同居する私にかかればあら不思議。ルール整理や改善などはされるはずもなく放置され、本来なら虚無へと還っていく運命でした。
しかし彼は不死鳥のように「ノーティス」として甦ったのです!ババーン!
デザイナーズノートならばアイデアをどう料理するかというところが一番面白いし、読みごたえがある部分かと思うのですが、実際この部分は全部草場さんがいつの間にかやってくれてたので私は全然わからないですw ここは私も草場さんのコメントが楽しみです。
とにもかくにも最終的には面白いトリテが一つできたわけで、その製作過程に微力ですが関われたことが嬉しく思います。
どんな一発アイデアでもデベロップ次第で面白いゲームになりうるという事だと思うので、皆さんもどんどん新しいトリテを考えてどんどん発表してみましょう。トリテは好事家が多いジャンルなので、発表さえすれば皆喜んでテストプレイしてくれると思いますよw
これはすげさんの「詠みビット知らず」に感心して、それをもっとシャープに定式化できないかと考え、改作したものです。と同時に「他人の手札を知っていてプレーするカードゲーム」に関心があったので、応用してみました。
本来隠された情報があるのがカードゲームなどの不完全情報ゲームです。例えば4人のトランプゲームなら、平均四分の一程度の情報量です。これがブリッジですと、ダミーがありますので二分の一になります。そして囲碁・将棋のような完全情報ゲームですと一分の一、つまり100%ですね。これでお分かりのように、情報量が増えるほどゲームはむしろ難しくなります。ルーレットのように事前の情報が何もない(出目表は妄想です)〇分の一のゲームですと、運任せに賭けるしかありません。
まあ、それが面白くもあるのですが、私は二分の一ぐらいがゲームとして最も面白い「最適値」であるような気がします。それでこの自分の手を回し合うというアイディアに飛びついたわけです。そしてベタですが、「あの人が」何トリック取るだろうかと紙に書いて予想することにしました。こうしてプレーにおいて、二つのハンドの獲得トリックを調整しなければならないという微妙な展開が生まれました。と同時に「この手であの人は何トリック取るだろうか」あるいは「この手であの人は私に何トリック取ってもらいたいのだろうか」と推理する、不思議な感覚も味わえます。つまり取るであろうトリック数を宣告(ノーティス)しあうわけですね。