準備
使用カード:1組 32枚(2~6、ジョーカーを除く)
ポーカー・チップ:30枚くらい
カードの強さ:強い順に、
7, 8, A, K, Q, J, 10, 9
※7が最も強く、9が最も弱い
※このゲームではマークは関係ありません
3枚の手札を使って1枚ずつ、カードの強さ比べをおこないます。1回の勝負で得点を倍々にしていくことができ、お互いの手札を読み合いながら勝負を持ちかけます。何回かの勝負をおこない、どちらかが 12点を取ったときに 1ラウンドを勝ったことになり、2ラウンド先取した人がゲームに勝利します。
ラウンドの流れとして基本的なゲームの流れを説明した後に、このゲームの醍醐味であるダブルなどについて説明します。
親(ディーラー)は相手から 1人 1枚ずつ、相手と自分へ順番に 1人 3枚になるようカードを配ります。残った 26枚のカードはひとつの山にして裏向きのまま置きます。また、得点用にチップを1枚、テーブルの中ほどに置いておきます。
自分の手札を見て、まず、子が交換したいかどうかを確認します。
交換したい場合、子は親に「交換しよう」と提案します。交換しない場合は、手札の交換はおこなわず(親の希望もきかず)子の順番から始めます。
子が交換を希望したとき、はじめて親の希望を表明できます。
お互いが希望するなら、手札の交換は何度でもできます。手札の交換に必要な枚数分、山札にカードが無かった場合は、親(ディーラー)と子の役割を入れ替えて、カードをすべて集めシャッフルし直し、また、手札を配り直します。
手札を配った後の、最初の 1枚は子から始めます。子が手札から 1枚、好きなカードを表にして出します(この、勝負の最初にカードを出すことをリードと呼びます)。一方が 1枚出し、もう一方も 1枚カードを出してゲームを進めます。
お互いに 1枚ずつカードを出した(これを 1トリックといいます)あと、それぞれのカードで強さ比べをおこない、勝った方がリードして次のトリックをはじめます。
上の例では、子が手札から 1枚、10のダイヤのカードをリードしました。
例図の続きです。子が出した 10のダイヤを見た後、親が手札から 1枚カードを出します。出したカードは J(ジャック)のスペードでした。10と J(ジャック)の強さ比べでは J(ジャック)の方が強いため、1トリック目は J(ジャック)を出した親の勝ちです。
さらにつづけて例図の続きです。先ほどの 1トリック目に勝った 親からリードして、2トリック目をはじめます。
スポイル
お互いに同じ強さのカードを出し合ったとき、そのトリックは いったん「スポイル」という引き分け状態になります。スポイルしているトリックは「手札を配られて以降、一番最初にトリックに勝った人」のものになります。
例を挙げて説明します。
1トリック目にスポイルになった時は、まだ誰もトリックに勝った人が居ないため「次以降、一番最初にトリックに勝った人」のものになります。
こちらも例を挙げて説明します。
スポイルになった場合、その段階ではトリックに勝った人が居ないため、次のリードをおこなうのは、今回リードした人がつづけておこないます。
誰かが 2トリック勝ったとき、得点計算をおこないます(3トリック目まで引き分けでない限り、手札が残ったまま得点計算になります)。2トリック勝った方が、置いてあるチップをとり、得点します。3トリックともスポイルだった場合、引き分けになり、どちらも得点をとれません。
上の例では3トリック目で2勝目をあげた子の勝ちです。出ていたチップ1枚を子が取り、得点しました。
得点計算のあと、親と子で役割を交代します。今使ったカードと山札、使っていない手札があればそのカードも伏せたまま(お互いに何のカードが見せず)ひとつにまとめます。チップを1枚用意し、親はまとめた山札をシャッフルしてカードを配り直します。
得点計算のあと、どちらかが12点分のチップを集めたとき、またはリメインダー(後述)で勝敗が決したとき、そのラウンドを終了します。12点獲得した人がそのラウンドの勝者です。
次のラウンドを始める前に、もし各自の手元にポーカー・チップがあれば一箇所にまとめて「誰の物でもない」状態に戻します。
それでは、このゲームの醍醐味であるダブルについて説明します。
ダブルは「今回の手札勝負では、得点を(さらに)倍にしよう」という提案です。今の手札での勝負で、1点ならば 2点に、2点ならば 4点に、 4点であれば 8点に変更しようという提案です。自分の番のときにそれぞれ 1回だけしか提案できません(つまり、1回の手札での勝負では一人あたり最大で 3回まで提案できる可能性があるということです)。
ダブルは、自分の番のときに、手札を出す前ならば相手に提案することができます。提案された側は提案を「受け入れる」か「拒否する」かを答えなければなりません。
例を使ってダブルの使い方を説明します。
1トリック目、子が 10のダイヤを(ダブルせずに)リードしました。親は子が出した 10のカードを確認したあと、自分の番でダブルを提案します(もちろん勝てるつもりだからです)。
子がダブルの提案を受け入れ、得点チップは倍の 2枚になりました。親は J(ジャック)のスペードを出し、まずは 1トリック勝ちました。つづいての2トリック目は、1トリック目に勝った親がリードします。親はリードする前に、ダブルを提案し、やはりこれも受け入れられ、得点チップが倍の 4枚になります。
ダブルの提案をおこない、親は 2トリック目のリードをおこないました。親は 8のスペードを出しました。8は上から2番目に強いカードです。仮にスポイルになったとしても、1トリック目に勝っている親が勝つことになります。このあと、子も2トリック目のカードを出す前にダブルの提案をし、親は受け入れました。
リメインダーはダブルの特別な形です。ダブルが提案できるのは、ダブルが受け入れられた後の得点と自分の今の得点を合計して 12点を超えないときだけです。12点を超えるような場合は、ダブルではなくリメインダーの提案に切り替わります。
リメインダーの提案は、つまりこの手札での勝負でラウンドの勝敗を着けようという提案です。リメインダーを提案し、相手に受け入れられた場合、相手もリメインダーが適用されます。つまり、相手の現在の得点がどうであれ、この手札での勝負に勝った方がラウンドの勝者となります。
先ほどのダブルの例をつづけましょう。
2トリック目、子が出したカードは 7のクラブです。7は 8よりも強いカードのため、この2トリック目は子の勝ちになります。ここまで 1勝1敗で、勝負は 3トリック目に持ち込まれました。リードするのは2トリック目に勝った子側です。ここで、子は3トリック目のリードをおこなう前にリメインダーの提案をおこないました。
既に今回の得点は8点の勝負になっており、ダブルでは規定得点の 12点を超えてしまうからです。お互いの手札はわかりませんが、親は子の提案を拒否しました。同じ負けるならサドンデスで勝負が決してしまうよりも、提案を受け入れて、いまの 8枚で止めようという考えです。
トリックでは1勝1敗ですが、親がリメインダーの提案を拒否したため、この手札での勝負は子の勝ちになります。子は いま置かれているポーカー・チップ 8枚を取って得点します。お互いの残った手札は見せないように伏せた状態で今回使ったカードと山札とを一緒にします。親子の役割を入れ替えて、最初のようにポーカー・チップを1枚用意し、カードを配り直します。
ゲームはどちらが 2ラウンド勝ったときに終了します。2ラウンド勝った人が勝利者です。
ルール紹介をおこなうにあたり、草場純先生の「夢中になる!トランプの本」の影響を大きくうけています。関係者の方で、問題があるとの判断があればご連絡ください。