実質GDP[1995年USドル]表示された値を実質GDP[2000年USドル]に変換するには?
用語説明
解答
以下の4つの関係が成り立つ。
よって、
X年の実質GDP[2000年USドル]=X年の実質GDP[1995年USドル]
×1995年の公式為替レート×X年のGDPデフレータ(1995年基準)
÷2000年の公式為替レート÷X年のGDPデフレータ(2000年基準)
となる。
例
日本の1990年の実質GDP[1995年USドル]表示されたを実質GDP[2000年USドル]に変換するには?
日本の1990年の実質GDP[2000年USドル]
= 4.78E+12 * 9.41E+01 * 9.56E+01 / 1.08E+02 / 9.89E+01
= 4.02E+12
WDI (2006)を見ると値は4.13E+12で、違いが約3%生じた。しかし、
1995年基準のデータが載っているWDI (2001)の名目GDPは 4.30E+14
2000年基準のデータが載っているWDI (2006)の名目GDPは 4.40E+14
で、既に違いが2.3%発生しているので、この違いは許容できるとみなした。
解こうとしていた問題
TGCIAによりSRESに基づいた各国の将来GDP予測(1990年基準)が発表された。これを1995年基準に変換したいがどうすればよいか?
解決案
上記の手法に基づけば、2050年や2100年のGDPデフレータが1990年基準と1995年基準について必要だが、それらは提供されていない。ただし、X年のGDPデフレータ(1995年基準)÷X年のGDPデフレータ(2000年基準)=一定という関係があるので、例えばXに既知の1990年をとって割合をもとめ、推定値に掛けて補正する。
確認
1995年のGDPデフレータ(1995年基準)は100.00
1994年のGDPデフレータ(1995年基準)は100.64
の比は.9936
1995年のGDPデフレータ(2000年基準)は103.48
1994年のGDPデフレータ(2000年基準)は104.09
の比は.9941
で、両者はほぼ一致する。
実施手順
X年の実質GDP[1995年USドル]=X年の実質GDP[1990年USドル]
×1990年の公式為替レート×X年のGDPデフレータ(1990年基準)
÷1995年の公式為替レート÷X年のGDPデフレータ(1995年基準)
これは、
X年の実質GDP[1995年USドル]=X年の実質GDP[1990年USドル]
×1990年の公式為替レート×1990年の名目GDP÷ 1990年の実質GDP (1990年基準)
÷1995年の公式為替レート÷1990年の名目GDP× 1990年の実質GDP (1995年基準)
と置き換えられる。さらに、
X年の実質GDP[1995年USドル]=X年の実質GDP[1990年USドル]
×1990年の公式為替レート÷ 1990年の実質GDP (1990年基準)
÷1995年の公式為替レート× 1990年の実質GDP (1995年基準)
となる。