第25回日本産業精神保健学会 精神保健福祉士部会 活動報告

第25回日本産業精神保健学会 精神保健福祉士部会 活動報告

西日本における甚大な豪雨被害が大変深刻な状況となっております。被害に見舞われました方々に心よりお見舞い申し上げますとともに一刻でも早く日常生活を取り戻されることをお祈りしております。

今回は先般開催されました第25回日本産業精神保健学会における第6回部会およびシンポジウムのご報告と、副部会長春日未歩子さんが日本産業精神保健学会島悟賞受賞のご報告、春日未歩子さんからの情報提供をいたします。併せてご覧ください。

1.「発達障害労働者の適応を支える」 精神保健福祉士部会大会共同シンポジウムが下記の通り行われました

●日時:平成30年6月30日(土)16:00~18:00

●座長 真船 浩介(産業医科大学産業生態科学研究所 精神保健学)

奥山 真司(トヨタ自動車(株)人事部)

●シンポジストおよびテーマ:

1.発達障害労働者をめぐる法制度や合理的配慮の実践的理解

小島 健一(鳥飼総合法律事務所)

2.発達障害者の就労支援の実際 ~精神科外来と大学の現場から

福田 真也((医)青木末次郎記念会 あつぎ心療クリニック)

3.職場における発達障害の特徴を持つ人への対応 ~本人・上司等への働きかけを通して~

佐藤 恵美((医)弘冨会 神田東クリニック/MPSセンター)

4.発達障がい社員が自分らしく働くために 採用から業務フォローアップまで

田村 真弓 (トランスコスモス(株)本社統括管理本部

ノーマライゼーション推進統括部)

共同シンポジウムということもあり、また、発達障害という注目を集めるテーマであったこともあり、当日は会場に立ち見が溢れるほどお集まりいただき、大変な盛況ぶりとなりました。

小島先生は、弁護士のお立場で、障害者雇用など人事からご相談を受けているなかで、事業主と労働者双方が、真向から向き合い「誠実な対話」を充実していくことで、多様な個性の自己理解の深まりや潜在的な能力を引き出し、組織の活性化にもつながると、大変学びのあるご講演でした。

福田先生は、精神科クリニックで診療を携わりながら、複数の大学の校医としても勤務されているお立場で、大学生の障害者雇用、就労と定着支援についての現状と課題をご提示いただき、また障害者雇用支援が、会社組織全体に対しても有用であると、新たな観点から支援を見直す機会となるご講演でした。

佐藤は、「仕事が上手くいかない」人が職場に適応していくために、本人の特性が職場で具体的にどのように現れるか、また、職場の人たちがどのような感情を持ち、何に困っているかを適切に把握し、両者に具体的に働きかけるアクティブなアプローチを紹介しました。

田村先生からは、IT企業のケースワーカーとして、採用活動に携わりながら能力開発体制について、また業務フォローアップ体制など精力的な事業展開をご紹介いただきました。

■参考までに、今回の登壇者の関する出版物等を下記にご紹介します。

★小島先生

・「労働の科学」巻頭言 http://www.isl.or.jp/images/03_provide-service/03-03_syuppan/03-03-b_roudou-no-kagaku/dsl73-6_excerpt.pdf

・「サンポナビ」https://sangyoui-navi.jp/blog/50

★佐藤恵美 「もしも部下が発達障害だったら」ディスカバー21 著 佐藤恵美

シンポジウムの様子


2.「精神保健福祉士部会」開催のご報告

7月1日(日)11:00 ~ 12:00 場所:北里大学白金キャンパス 第3会場

例年通り1時間という短い時間でしたが、22名の方にお集まりいただき、昼食をいただきながら、皆様と顔合わせをすることができました。部会は下記の通りに行いました。

・2017年度活動報告・会計報告および2018年度活動予定 (事務局)

・PSW協会産業精神保健プロジェクトチームの動向および 「産業保健分野における活動に関する意識調査」結果報告

(副部会長 産業医科大学 真船 浩介)

・活動に関する要望・意見交換

部会の様子


3.日本産業精神保健学会本大会にて、副部会長春日未歩子さんが島悟賞を受賞されました

おめでとうございました。島悟賞は、これから活躍が期待される方に贈られる奨励賞です。これからも、産業領域で活躍する多くのPSWが受賞し、後に続いていきましょう。

4.春日未歩子さんから研修・情報提供

「いのちの循環とティール組織の学校」

個人や組織の存在目的に向かって、お互いの能力を発揮し、成長していく組織の形として、「ティール組織」が紹介されてから、関心が高まっています。事例の中には、医療福祉分野の組織も含まれており、これからの組織を考えていく上で、参考になることが詰まっています。実は、相互に影響を与えながら成長していく過程は、自然の循環とも同じです。今回は、自然の恵みを活かした畑づくりを通じて、ティール組織(広くは、次世代型組織)について、学びを深めることができればと思っています。

イベント詳細:https://www.facebook.com/events/183177685848859/

日時:2018年8月19日(日)、 10月21日(日)、11月25日(日)

会場:保健農園ホテルフフ山梨

お申込み:https://peraichi.com/landing_pages/view/ecosystem-teal

「個人と組織の成長を促す葛藤解決ゼミ」

個人や組織の成長を促すために必要なことは、葛藤に向き合い、内省と対話から、新しい行動につなげていく力です。葛藤は、そのままにしていると、たとえば、個人なら心身に影響が出たり、関係性であれば大きくこじれたりします。精神保健福祉士として、葛藤とどのように向き合うかを具体的に学び、現場ですぐに活かせるようにしていきます。

イベント詳細:https://www.facebook.com/events/2059967867550867/

日時:2018年8月25,26日

会場:保健農園ホテルフフ山梨

お申し込み:https://peatix.com/event/create2/381918/edit#/advanced