日本産業精神保健学会 第2回精神保健福祉士部会 議事報告

「産業保健分野で働く精神保健福祉士の会」会員

「日本産業精神保健学会 精神保健福祉士部会」会員 各位

日本産業精神保健学会 第2回精神保健福祉士部会 議事報告

去る7月12日、第21回日本産業精神保健学会にて第2回精神保健福祉士部会が開かれ、19名の方にご参加いただきました。台風8号の影響など心配される中、多くの皆さまにお集まりいただき心より感謝申し上げます。

部会では、2013年度の活動報告および2014年度の活動予定の説明に続き、学会で特別講演も企画されました改正労働安全衛生法に基づくメンタルヘルス問診義務化にあたっての「働く」を支援するPSWの実態調査および技術研鑚について、活発なディスカッションがなされましたので、下記の通り議事をご報告いたします。

1.日時:2014年7月12日(土) 12:00~13:15

2.場所:ウェルとばた 12階 D会場(121・122会議室)

(北九州市戸畑区汐井町1-6)

3.当日参加人数:19名

4.総会

①2013年度活動報告および2014年度活動予定

<2013年度>

・発足初年度のため、会員同士の繋がりを深めることを目的に、メーリングリストの配信や交流会の企画をした。

<2014年度>

・6月に日本精神保健福祉士学会学術集会プレ企画へ参加。すべての企画の中で最も早く定員に達して100名近くの参加者があり、PSWの職域への関心の高まりを感じた。

・日本産業精神保健学会では会員によるシンポジウムを企画・実施した。PSWによるシンポジウムの企画は学会初の試みであった。

・今後は9月27日の他、2014年度内に計2回の専門技術研修会を企画できるよう計画中。

メンタルヘルス問診義務化を皮切りに職域でますますPSWが求められるようになるので、その期待に応えられるよう技術研鑚していきたい。

②会員動向

・OPSWの会 62名

・精神保健福祉士部会(入会希望者含む) 44名 <2014年7月2日現在>

③2013年度会計報告・2014年度会計予算案

5.産業精神保健をめぐるトピックス

・6月に労働安全衛生法が一部改正され、50名以上の事業場でメンタルヘルス問診が義務化となる法案が可決された。PSWの関与については今後定められる省令にて明記される予定だが、具体的な指針やストレスチェックの方法論、それらに携わるPSWへの教育体制などは未定。

・厚生労働省の担当者としても、ストレスチェックを実施できる職域のPSWが全国にどれくらいいるのか、どのような養成研修を組み立てれば良いのかを知りたいというニーズがある。

6.ディスカッション

テーマ:「働く」を支えるPSWの実態調査について

「働く」を支えるPSWの技術研鑚について

ディスカッションタイム

・ストレスチェックを実施可能なPSWの概数を国に示す必要があり、実態調査の具体的手法を検討するとともに、どのような研修を組み立てれば期待に応えられるのかも具体的に示したい。

・調査方法としては、リワーク研究会、EAP協会、メンタルヘルス登録相談機関に所属するPSWの数を洗い出す、というやり方が現実的か。全国に「働く人を支援するPSW(就労移行を含む)」が最低500名程度はいる、というデータを示したい。

・メンタルヘルス問診義務化はスクリーニングではなく、一次予防に重点を置いた職場環境改善であり、まさにPSWの出番。疾病や服薬のことを分かったうえでストレス、健康を扱えるという点もPSWの強み。

・面談が必須要件とならなければPSWの出番はそれほどない可能性も。実際には、法律を形骸化させないように健診後の事後面談実施や受診勧奨など「現実的に進ませる」という役割を担っていくのがよいのでは。

・今後、職域経験のないPSWが参入してくることが見込まれ、職域のPSWといっても立場は様々であるので、実施にあたっては質の担保が必要。「研修の場=PSWのスクリーニングの場」とする必要がある。

・研修内容には、労働法の基礎や健診などは必須にできるとよいのでは。

まとめ

・7/17に厚労省の担当者がPSW協会を訪問予定。PSWとして今回の法案にポジティブなスタンスであることを伝える機会にしたい。

・今回の法案成立にあたり、PSWサイドとして何らかのレスがあることは示したいが、PSW協会は産業領域に明るい人は少ないので、会としてここ数ヶ月でさまざまなサジェスチョンが必要。会員の皆さまのお力を借りることもあると思いますが、よろしくお願いします。

部会の様子

同学会大会にて当部会で企画されたシンポジウムの様子