第24回日本産業精神保健学会 精神保健福祉士部会 活動報告
もはや盛夏を予感させるような暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
九州地方におきましては、豪雨による甚大な被害で多くの方が被害に遭われ、未だ不便を強いられていらっしゃいますことに、心よりお見舞い申し上げますとともに、尊い命を犠牲にされた方のご冥福をお祈り申し上げます。
過日行われました第24回日本産業精神保健学会における第5回部会およびシンポジウムのご報告と、今月末に実施します専門研修会のご案内をさせていただきます。ぜひお目通しください。
第24回 産業精神保健学会 精神保健福祉士部会主催シンポジウム
「職場のソーシャルインクルージョンを実現させるには~LGBT・障害・難病…誰もが力を活かせる職場に~」
日 時 : 7月1日 土曜日 13:40-14:55
テーマ : 「職場のソーシャルインクルージョンを実現させるには~LGBT・障害・難病…誰もが力を活かせる職場に~」
演 者 : 山本 和儀 先生 山本クリニック 院長 / EAP産業ストレス研究所 所長
井坂 智博 先生 株式会社インクルーシブデザイン・ソリューションズ 代表取締役社長
村木 真理 先生 特定非営利法人虹色ダイバーシティ 理事長・代表
第24回日本産業精神保健学会大会にて、精神保健福祉士部会は「職場のソーシャルインクルージョンを実現させるには~LGBT・障害・難病…誰もが力を活かせる職場に~」と題し、3名の講師をお招きしてシンポジウムを行いました。
今回の大会では、部会主催のシンポジウムがそれぞれ開催されましたが、PSW部会では我々の基盤となっている社会福祉の理念に立ち返り、ソーシャルな視点でシンポジウムを企画しました。
だれもが自分らしく社会参加できる社会を、ということで、「ソーシャルインクルージョン」をキーワードに、村木先生からは、LGBTの置かれた現状と理解の基本についてをお話しいただき、井坂先生からは、社会の端を強いられる障害者(リードユーザー)を、商品開発の中心に据え、彼らの視点で発想することは障害の有無に関係なく、誰にとっても使いやすく、生活しやすいものが生み出せるというご活動をご紹介いただきました。また、山本先生は、性同一障害の方々への治療活動や研究活動を踏まえ、沖縄でのLGBTのレインボー活動をご紹介いただくとともにPSWとしてのコミュニティオーガニゼーションへの期待をお示しいただきました。
私たちが無自覚に使う言動の中にも、社会の端で一人で苦しんでいる人にとっては、無理解や傷きになるのだということを改めて考えさせられるとともに、そうした社会の端の人々は、決して端ではなく、中心に据えてインクルージョンすることが全ての人にとっても有意義なのだという目から鱗の視点を与えられ、ソーシャルワーカーとして非常に刺激を受けるシンポジウムとなりました。ご協力いただいた皆様、ご参加下さった皆様、ありがとうございました。 また、このような機会を再度開催できたらとも思っておりますので、ご参加下さった皆様、ご関心のある皆様、ぜひ、ご要望をお寄せください。
シンポジウムの様子
日本産業精神保健学会第24回大会 第5回精神保健福祉士部会
部会につきましては、例年通り1時間という短い時間でしたが、昼食をいただきながら、皆様と顔合わせをすることができました。初参加の方も数名いらっしゃいましたので、また新たな仲間を加えて、発展していけたらと思います。今回の部会では、今年度中に行う予定のP協会での専門研修に産業保健プロジェクトチームとしてエントリーする方向性において、産業保健について、PSWに何を知ってほしいか、どんな研修が有益か、ご参加の皆様のご意見を伺いました。
部会の様子
第7回専門技術研修会 「働くひとを支援するためのキャリアの視点」のご案内
日 程 : 2017年7月29日(土)
時 間 : 13:30-16:00
場 所 : 神田東クリニック3階・研修室
定 員 : 30名
締 切 : 7月20日 氏名・ご所属・電話番号 を記載の上psw-jsomh@iomhj.com までお送りください。
講 師 : 大庭 さよ 臨床心理士・キャリアコンサルタント(医療法人社団弘冨会 MPSセンターセンター長)
労働者のメンタルヘルスとキャリアを専門とし、キャリアデザイン学会理事・キャリア政策国際交流委員会委員長などを歴任し、キャリアに関連する著書も多数執筆している、カウンセラーのご講義をお願いしています。
労働者を支援するにあたっての、キャリアの視点について分かりやすく教示いただくとともに、我々自身のキャリアの振り返りも含めて、キャリアとは何かの考えを深めます。働く人を支援するには、キャリア(仕事とは何か、自分にとって仕事を通してどう生きていくか)の視点を持っていることは必須であると考えます。大変貴重な機会となると思いますので、万障お繰り合わせの上、奮ってご参加下さい。