第24回研究会では「さまざまな間合いとのさまざまな間合いのはかりかた」をテーマとし,2024年度から新たに間合い研の幹事として加わった3名の話題提供をもとに,間合いという概念や現象へアプローチする方法や態度について議論しました.
日程:2024年8月11日(日)13:00-17:00
場所:オンライン(Zoomを使用)
※本研究会のアーカイブ公開はいたしません.
参加費用:無料
プログラム
13:00-13:10 開会挨拶・趣旨説明
13:10-14:00 話題提供1
「記号論的観点からの意味と間合いについての考察」
佐古仁志(東京交通短期大学)
本発表では間合いについて記号論的に考察する。具体的には、まずパースの記号論における意味の確定が習慣形成によりなされるということを確認し、内部と外部の二重性、予期の役割、モデルの形成など間合いについての研究と多くの共通点を持つと指摘する。
パースの習慣は、アブダクションを通じて環境の意味をとらえるものの、多くの場合、環境からの抵抗という形で、受動的に開始される。それに対し、間合いにおいては、環境に対してアブダクションを行い、環境に能動的に働きかけることで自分に好ましい意味を制作するところにあると論じる。
14:10-15:00 話題提供2
「あの手のこんだ作業は何だったのか? 〜野沢温泉道祖神祭りの変遷をめぐって〜」
榎本美香(東京工科大学)
我々が野沢温泉道祖神祭りに出会った時、あまりにも手の込んだ作業が用意周到に準備されていくのを見て圧倒された。重要無形文化財であることもあいまって、これが脈々と受け継がれてきた伝統であると感じた。祭りに携わる人々も、その膨大な作業に何の疑問も感じていないようであった。しかし、近年の少子化やコロナ禍による祭りの中断を経て、その作業が大幅に簡略化・削減されると、しなくて良い手順が無限にあったことに気づく。ここでは、既成概念が習得されたり瓦解したりすることについて考える。
15:10-16:00 話題提供3
「コミュニティに居る中でのデザイン実践における関わり合い」
元木環(公立はこだて未来大学)
デザイン実践研究において,デザイナーや専門家が,実際の利用者や利害関係者と積極的に関わり合いながらデザインを進めていくことを「Co-Design」と呼んでいます.これは実際に何かのものを作る行為の前後に,関係者がやりとりする場面で立ち現れるといえます.今回の話題提供では,私の関わった制作の打ち合わせの一場面を事例として,私自身のデザイン実践の中での間合いを話します.
16:15-17:00 総合討論