第15回研究会

第15回研究会は,日本認知科学会研究分科会「教育環境のデザイン」(DEE)と共催しました.「生きることと共創デザイン」というテーマを設け,原田泰氏(はこだて未来大学)に招待講演をお願いしました.また,南部美砂子氏(はこだて未来大学)にも話題提供をお願いしました.


  • テーマ趣旨

近年,コンヴィヴィアル(自立共生的)に自分たちの生活をデザインしていく,ということを志向した活動が着目されています.

デザインの現場において,あらたに「共創」「自分ごと」という視点が加わり,ものづくりや生活場面にデザイナが関わる事例も蓄積されてきました.

(2019年『デザイン学研究』(Vol.26-2)の特集は「共創・当事者デザイン」です)

ここで今一度,共創のデザインとはどのような活動で,デザイナは共創の現場でどのように振る舞っているのか,考えてみたいと思います.

あわせて,共創のデザインに誘われた「デザイナ以外の当事者」の視点の理解も重要だと考えます.

そこで今回の間合い研では,原田泰さん(公立はこだて未来大学)にご講演いただきます.

原田泰さんは,はこだて未来大学で共創デザインの研究教育実践を進める上で,「生きること」そのものをデザインの実践ととらえ,社会構成主義的な立場でものづくり,コミュニティづくりを実践しています.

原田泰さんには,函館の地域資源をいかしたものづくり,実践と研究の関わり,生きることとしてのデザイン,木こりの学習,シカ中心設計,…に関してご発表いただきます.

あわせて,原田泰さんの「生きることとしてのデザイン」に誘われた立場から,南部美砂子さん(公立はこだて未来大学)にも話題提供をいただきます.

(共催企画者:岡部大介(東京都市大学),青山征彦(成城大学),郡司菜津美(国士舘大学))

  • 日程

2019年12月7日(土)14:00-18:00

  • 場所

成城大学8号館008教室

  • テーマ

「生きることと共創デザイン」および一般

  • 招待講演者

原田泰氏(はこだて未来大学)

  • 話題提供者

南部美砂子氏(はこだて未来大学)

  • プログラム

14:00-14:10 テーマ趣旨説明

岡部大介(東京都市大学)

14:10-15:30 招待講演

「「デザインする」という生き方:実践、研究、学びの重なる場で」

原田泰氏(公立はこだて未来大学)

情報デザインの研究・教育を担うデザイン実践者の葛藤を報告する。デザイナーの使命は「アウェイ」で起こる「困った」にわざわざ乗り込んでいって、人知れず結果を出すこと、とも言える。この構造を「旅するデザイン」と名付けた。現場が専門的・形式的になればなるほど、デザイナーのよそ者感は増し、その活動は理解されない。大学教員という立場で社会デザイン実践を行う1人のデザイナーのこれまでの「旅」を、コミュニティの中で「デザインすること」の意味づけの変化という視点から語ってみる。

15:45-16:35 話題提供

「居ると学ぶ:デザインの実践に巻き込まれてみたら」

南部美砂子氏(公立はこだて未来大学)

認知心理学を専門とする研究者が,同僚であるデザイナーの教育・研究の実践に徐々に巻き込まれ,ただそこにいることを肯定され,褒められ,アイデンティティを問い直し,ともに学び,社会構成主義的な視点から対話にもとづく集合的な達成を考えるに至るまでの道のりについて報告する.

16:50-18:00 総合議論