手続き・制度が重要

誤解を恐れずに言えば,科学的なプロセスを経た結果だとしても「間違いはあって,それはそれでよい」という考え方があります。そこで重要となるのが,手続きであり「制度」なのです。その結果が正しいかどうかを複数の判定者を立てて検証する。その時点で正しいと思えれば公開されますが,それは完成形ではありません。間違いは含まれますし,何が正しいか,明確にわからないことも少なくない。あえて言えば,信用できるのは結果としての知ではなく,いずれはより確からしい知を生むプロセス,すなわちフローなのです。

坂村 健 (2007). 変われる国・日本へ イノベート・ニッポン アスキー p.141-142