地震の確率を考えると

さて。これを見ると,地震は20日以内に起きることがもっとも多く,間隔が短いことが非常に多いことがわかります。たしかに地震は集中して起きる傾向があります。

地震が連続すると,次もまた大きな地震が起きると思って,地震対策グッズを確認したりしますが,連続していても,長い間起きていなくても,実は,次に地震が起きる確率自体は変わらないのです。

地球物理学者の寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」と言いました。これは,ポアソン分布の観点からは,「しばらく天災が起きないからといって,天災に遭う確率には変化がないぞ,いつも注意しておかなければいけないよ」と解釈することができるでしょう。

神永正博 (2009). 不透明な時代を見抜く「統計的思考力」 ディスカヴァー・トゥエンティワン