2010年夏合宿

今年の鉄研夏旅行の行き先は九州となりました。九州上陸は初めてという方は多く、皆楽しみにしていました。当会の旅行のスタイルは「現地集合、現地解散」であり、今回も各自好きな列車、好きな経路で九州を目指しました。集合日時は9月8日(火)19時、場所は鹿児島中央駅。はてさて、みなさんはどのようにして千葉から鹿児島までやってきたのでしょうか。

9月8日

  • 初日の集合が時刻が19時と遅いこともあり、この日は実質的に各自自由行動の移動日。私は7日に新大阪で一泊し、8日朝に山陽新幹線「ひかりレールスター」で小倉へ。小倉からは特急「ソニック」→(博多)特急「リレーつばめ」→(新八代)九州新幹線「つばめ」→と乗り継いで鹿児島中央まで到着しました。関東から出発し、九州の中で連泊、長距離移動の場合は「周遊きっぷ」が全体では一番お得なのですが、三セク鉄道や九州新幹線には乗れない(別途、運賃・特急料金が必要)のが難点。しかし、九州新幹線800系の車内設備は追加で料金を払っても全く惜しくないレベルでした。自由席でも2+2のシート配列、ふかふかなヘッドレスト、竹製のブラインドなど、関東では考えられない空間。加えて急勾配でも抜群の加速力を維持する高性能など、ずいぶんと手が込んでいます。来年の博多延伸が待ち遠しいですね。

9月9日

  • 全体行動の初日となる9月9日(水)の朝、台風一過の鹿児島の空は晴れ渡り、雄大な桜島が噴煙を上げていました。この日の午前中は鹿児島市交通局、路面電車の車庫を見学させていただきました。鹿児島市交通局は超低床車「ユートラム」や、軌道緑化事業など先駆的な試みで知られ、この車庫見学は貴重な体験になりました。車庫内には日本にはここにしかないという「芝刈り電車」・「散水電車」をはじめ、花電車,ビール電車,アルナ工機が手掛けた日本初の国産超低床車1000形,最新の7000形,1955年製の500形などが並び、鹿児島市交通局の歴史の長さと意欲の大きさを感じました。また大型の台車を使った車両の転線風景にはみんな目が釘付けでした。案内して下さった方もとても気さくな方で、車両の細かな説明や交通局の内情まで話して下さり、頭が下がる思いです。このような機会は今後も設定していきたいですね。

  • 鹿児島中央駅に戻り、ここからは人吉駅、そして今宵の宿となるくま川鉄道多良木駅を目指し肥薩線の旅へ。特急「はやとの風4号」から快速「しんぺい4号」へと乗り継ぎますが、ここからはまさに肥薩線のハイライト。沿線の各駅そのものが名所になっています。真幸はZ字型スイッチバック、矢岳はSL記念館、大畑はループ線というように。各駅では5分ほど停車したり、ループ線では景色のよいところで一旦停止するなど観光客への心配りがされていました。さすが日本三大車窓の一つです。

  • 人吉駅到着後(なぜか)近くのボウリング場で2ゲームをして、夕食の後くま川鉄道に乗車して今宵の宿がある多良木駅へ。多良木には、東京と九州を結んだ寝台特急の客車を再利用した簡易宿泊所「ブルートレインたらぎ」があり、車輪の音こそ聞こえませんが、夜行列車の気分で一夜を過ごすことができました。ちなみに宿泊料金は10名以上の団体なら朝食のお弁当付でも3100円という安さ。さらに隣の温泉施設も無料で利用できるなど団体旅行にはうってつけです。

9月10日

  • 3日目は恒例のジャンケンゲーム。人吉から肥薩線・鹿児島本線を北上し、熊本,博多を経て香椎を目指す200km以上にも及ぶ長旅です。くま川鉄道多良木駅で人吉(温泉)駅に向かうため列車を待っていると、なんと5両編成でやってきました。しかも編成中にはミュージアムトレイン 「KUMA1」と元国鉄のキハ31も組み込まれた凸凹編成。車内を歩き回ると全車両の内装が異なっていて面白かったです。人吉からは恒例の夏合宿ジャンケンゲームをしながら肥薩線・鹿児島本線を北上。人吉→八代→熊本→博多→香椎まで200km以上の道のりを途中下車を繰り返しながらゆっくりと進みました。日本三大急流の一つである球磨川を眺めたり、「SL人吉」に出会ったり、JR九州の近郊電車のハイセンスな内装に驚いたり、豊肥本線の「光の森」まで行ったりなど各人いろいろな体験をしたようです。香椎到着後、全員で香椎線に乗り西戸崎まで駆け足往復してから博多駅に戻り、天神付近で夕食となりました。

団体行動はこれにて終了しましたが、翌日は周遊きっぷの残り一日を有効に使うべく、各自どこかを廻ってきたようです。九州は本当にいいところです。また行きたいですね。