学科のコンセプト

環境と資源のサイエンス

  近代科学の発展と絶え間ない技術革新によって、私たちの生活は豊かになりました。しかし、石油や石炭に依存した大量生産、大量消費、大量廃棄によって支えられてきた私たちの豊かさは、21世紀初頭の今、曲がり角に来ています。大気、水界、土壌などの環境が地球規模で悪化し、このままでは人間生存をも脅かしかねないようになってきました。

 では、この大きく複雑な課題にどう立ち向かうのか。私たち環境資源科学科は、自然科学の立場から、環境や資源の問題を分析し解決してゆくことを目指しています。21世紀に人類が地球と調和して生きてゆくための科学を作りだし、またそのような科学のバックグラウンドを身につけた人材を育成することを学科の目的としています。


地球環境からミクロの世界まで

 環境資源科学科では、環境汚染物の評価・予測・修復と、太陽エネルギーによって炭素が固定されてできるバイオマス資源の利用についての教育と研究を行います。例えば、汚染物質の動態を解明し、自然への影響や浄化法などを研究しています。また、植物資源の環境に調和した利用法やリサイクルなどを調べています。

 これらの研究では、環境や資源に関係する種々の物質の理解が欠かせません。本学科ではそのため、基礎的な物質化学の教育と研究も重視しています。環境資源科学科は、環境や資源の問題に対して、「物質」という考え方を基軸として、地球全体の大きなレベルからビーカーの中のミクロの世界まで、広く深く研究する学科です。


日本で最初の環境を研究するための学科

  1973 年、日本で初めて「環境」を専門に研究する学科として、本学に環境保護学科が創設されました。私たち環境資源科学科は、その歴史を受け継いで、環境に関する教育と研究をいっそう発展させたいと思っています。環境研究の伝統ある東京農工大学で、私たちと一緒に世界へ向かって、環境と資源の新しいサイエンスを発信しようという、意欲あふれる若いみなさんの参加を待っています。