卒業生の声

 環境資源科学科卒業後(または大学院修了後)に様々な分野で活躍する卒業生の声をご紹介します。
 ご協力くださった卒業生の皆さん、ありがとうございました!アーカイブはこちらからご覧ください。

松田 宗一郎(2021年度・修士卒)

 私は東京農工大学の大学院を修了後、環境省に入省しました。入省してから1年間は、環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室という部署で、プラスチックの資源循環を推進する業務に携わった後、入省2年目から現在に至るまで、同課の循環型社会推進室という部署に異動し、循環型社会形成推進基本計画という政府計画の策定業務に携わっています。

環境省での業務は幅広く、社会の制度づくりや基準づくり、国際交渉、技術開発や新技術の社会実装支援など、「環境」を軸に社会を導くあらゆる仕事があることから、求められるスキル・知識も多様です。環境分野以外の知見を問われることも多く、正直勉強の日々ですが、農工大で学んだ環境面の知識は、確実に自分が働く上での基盤となっています。

梅原 実玖(2021年度・修士卒)

  私は現在、パシフィックコンサルタンツ(株)という建設コンサルタント会社の環境部門に所属しています。建設コンサルタントとは、道路、河川、鉄道、港湾、空港などの社会インフラを、計画・調査・設計・管理の側面から総合的にプロデュースする仕事です。

 私は主に、開発事業に伴う環境アセスメント(事業による環境影響・リスクの評価、環境保全対策の検討など)や、大気汚染及び騒音・振動等の生活環境調査業務を担当しています。発注者や地域住民の方々とのコミュニケーションを通じて、事業における課題や要望を汲み取り、社会インフラの整備を進めるうえでどのような環境配慮が最適かつ実現可能か、日々思考を巡らせています。

 建設コンサルタントにおける環境分野では、生活環境や自然環境、地球環境といった幅広い知識が必要となります。私は大学院で大気環境学を専攻しましたが、その他の分野についても環境資源科学科での多様な講義を通じて、広く専門的な知識を学ぶことができたと考えています。現在も自分の専門外の分野の質問や課題に対応するため、日々勉強の毎日ですが、大学や大学院で学んだ知識は業務の様々な場面で活かされていると強く感じます。 

古谷 渚(2020年度・修士卒)

  現在私は株式会社オーシカの中央研究所で研究開発職として日々仕事をしています。主な仕事は木材用接着剤の新規開発、既存製品の性能・品質向上などで、一般的な木造住宅から高層ビルや競技場などの大型木造建築まで、建物を作る際には欠かせない製品を取り扱っています。

 私は高校生の頃、環境問題に興味を持ったことがきっかけで環境資源科学科に入学しました。環境資源科学科で様々な講義を受ける中で、「木を植え、育て、利用し、再び植える」という木材の持続可能な資源利用システムに感銘を受け、木質資源に関わる専攻へ進みました。

 冒頭でも述べましたが、私が現在勤めている会社は木材用接着剤の製造メーカーであり、在学中に学んだ木質材料に関する知識は試験結果の考察や製品の改良アイデアを考える際に大いに役立っています。また環境問題に関する知識も存分に学べたため、今自分がしている仕事は単に「木材利用の拡大を促している」だけでなく、実は「環境保全にも大いに貢献している仕事」であると様々な視点から自らの仕事に大きなやりがいと使命感を見出すことができています。 

H.M.さん(2018年度・修士卒)

  現在は建材メーカーの開発職に就き、新製品の開発や既存製品の品質改善に取り組んでいます。木質繊維板の一つであるインシュレーションボードを主に扱っており、原料には間伐材や解体古材といった未利用資源を活用しています。

 環境資源科学科では、土壌・海洋・森林といったあらゆる環境問題について、現状や要因だけでなく事態の重大性を学び、生物と共存しながら発展を遂げるためには、環境に配慮し、持続可能な資源を有効活用することが重要であると学びました。さらに、取り扱う資源の基礎的な情報や長所・短所を含む特長を知り、自分自身が専門家になることが大切だと気付きました。 開発職として新製品開発や品質改善を進める中では、基礎的な情報の収集を怠らないこと、資源を有効活用する方法を模索することなど、生物と共存していく手段を考える思考力に活きていると感じます。学部で学んだ知識や技術を直接的に活かせる場面ももちろんありますが、課題の解決に繋げるための思考力を学んだことが特に自身の実りになっていると感じています。