生物圏変動解析分野

研究概要

「自然界で今何が起こっているのか」を解明する


地球温暖化、酸性雨、PM2.5……環境問題のキーワードに注目が集まる昨今。大気汚染や地球温暖化による生態系・生物ダメージ、有害物質による水域汚染など、地球規模の環境問題に我々は直面しているといえます。生物圏変動解析分野では、温室効果ガスをはじめとする炭素、窒素、イオウなどの生元素循環、大気や水域における汚染物質の広域的な挙動、生態系・生物への影響を解明しています。環境モニタリングの次のステップとして、「自然界で今何が起こっているのか」を徹底的に調べ、環境の汚染や変動のメカニズムを解明する分野と考えるといいでしょう。

CLOSE UP! 松田研究室

大気圏と生物圏の間を科学する


PM2.5などの大気汚染物質が、森林、土壌などの地表面へ沈着して大気から除去されるメカニズムを研究しています。これらの大気汚染物質が鉛直方向下向きに移動する流れを測定できる特殊な装置を開発し、鉄塔の上に設置して観測を行っています。このメカニズムを明らかにすることにより、汚染物質がどこにどのくらい沈着しているかを推定できるようになり、環境への影響を評価することが可能になります。 

構成メンバー


松田和秀(教授)

地球規模の大気汚染が生態系へ及ぼす影響を評価することを目的として、大気から地表面への物質の沈着(大気沈着)について研究しています。


梅澤有(教授)

フィールド調査と、実験系研究を組み合わせ、主に安定同位体・放射性同位体等を用いて水圏の生元素循環、汚染源、食物網の解析を行っています。


大地まどか(准教授)

人工化学物質の生物影響や海洋環境における動態を解明することにより、海洋生態系の攪乱機構を包括的に検証します。