安藤 恵介(あんどう けいすけ) 

准教授(生活環境分野)

研究室で行っている研究の内容

 植物材料は,日常の生活に欠かせないものであり,特に森林から生み出されてくる木材は,非常に親しまれている最も身近な材料です。森林の伐採による環境破壊が世界的な問題となっている今日では,木材をこれまでのような使い方をすることはできません。そこで,これから木材をどのように使っていけばよいか,ということから,木材をより有効に,より無駄を少なく利用するための加工方法・技術について研究を行っています。 樹木は,根から水や栄養分を取り入れて,生活しているものですから,森林から切り出したときには濡れています。これを乾かし,適当な大きさに加工することによって,木材として使えるようになります。これらの工程で無駄を少なくするには,乾燥においては,割れなどの欠点が生じないように,かつ,多くのエネルギーや時間がかからないようにする必要があり,このために,適切な乾燥方法やその制御方法の研究を行っています。その後の加工では,切りくずなどを少なくして,低エネルギーで,かつ騒音振動などの少ない加工法に関する研究を行っています。そのほかに,乾燥や工具の状態を監視するための技術や,一連の加工の自動化に必要な自動計測に関する研究も行っています。

主な担当授業科目とその内容

 講義 1年生で「住環境学」の一部を担当し、住環境(住宅)について、遵守しなければならない法律から、採光や温湿度環境、騒音問題といった物理的な環境問題と対策を概説します。3年生では「森林資源利用学」の一部を担当し、木材・木質材料が住環境の何処に使われているのか、それらの材料がどの様にして製造されているのかを概説します。「ライフサイクルアセスメント」では、その一部を担当し、LCAの一般的な解説と用途、それによる木質製品や木造住宅の分析事例を紹介します。
 学生実験 2年生前期でTAT2物理学実験を行います。この実験は基本的な物理実験で,高校で物理学を履修していればきわめて常識的な内容ですが,公式に当てはめるのではなく,物理的な現象を理解することに重点を置いています。2年生後期には環境資源科学実験1を行います。この実験は木質資源を利用するために必要な物理系の実験で,私が担当するのは,木工機械の安全な使用法,作業環境(騒音,粉塵)の測定,木材の乾燥法です。

環境資源科学科を希望する受験生に向けて

 環境資源科学科では環境・資源に関して基礎から応用,ミクロからマクロと非常に広い範囲の研究が行われています。ここにいる教員も学生も非常に個性的で多彩なメンバーです。大学生という時期にこのような環境で刺激を受けるのは,その後どのような仕事をするにしてもいい経験になると思います。ぜひ,刺激を受け,自分の感性を高めるためにも環境資源科学科の仲間になりましょう。

より細かい情報

研究室website   http://www.tuat.ac.jp/~kakoh/
居室 府中 1 号館 3 階 318 号室
専門分野 木材加工,木材乾燥