2001年度 第2回
粉体操作に伴う諸現象に関する勉強会

日時:2001年11月7日(水)

場 所:コスモスクエアー国際交流センター


プログラム



9:50 開会挨拶


10:00-12:00粉体工業展 見学ツアー


13:30-13:45 参加者自己紹介


13:45-14:45

「水溶液中の疎水性表面間に働く超長距離引力の発現機構」

産業技術総合研究所 環境調和技術研究部門 石田 尚之氏


 粉体微粒子を水中に懸濁させた微粒子分散系は、様々な工業製品の原料として広く用いられている。この微粒子の水中での分散・凝集挙動を知るうえで、それを決定づける粒子表面間力を理解することは重要である。疎水性引力は、水溶液中の疎水性表面間に超長距離から強い引力が作用する現象であり、分散系の挙動に大きな影響を及ぼす。しかし、その発現メカニズムは全く不明であり、コロイド化学における神秘的な「謎」として、多くの研究者を魅了し、議論の対象となってきた。ここでは、原子間力顕微鏡を用いた表面間力測定により、疎水性引力の特徴や支配要因と疎水性表面の構造・状態との関連を明らかにし、発現メカニズムについて検討した結果を報告する。


14:45-15:00 休憩


15:00-16:00

「乳糖を基剤とした噴霧乾燥複合粒子の設計とその製剤学的応用に関する研究」

山之内製薬(株) 創剤研究所 保地毅彦氏


新規医薬品開発の後期ステージにある「製剤」の研究開発の効率化が重要視される今日では、賦形剤等の製剤素材の開発・選択が重要であり、新たな製剤素材の開発が21世紀の医薬品開発の発展に大きな役割を担っている。しかしながら、新規に化学的手法で開発した製剤素材が行政当局の承認を得るには、医薬品開発と同等の費用と年月が必要であり、既存の製剤素材を組み合わせた粒子設計法に期待が寄せられている。本研究では、直接打錠能と薬物徐放化能を併せ持つ新規機能性粒子の開発を目的として、固形製剤で最も汎用されている乳糖とゲル形成機能を有した水溶性高分子からなる複合粒子の設計を行った。複合粒子の圧縮性成形性及びその支配因子と考えられる乳糖の結晶性に着目し、熱力学的に安定な多機能型複合粒子の開発に取り組んだ。更に調製した複合粒子のマトリックス基剤や有核錠外層基剤としての有用性を示した。


16:00-17:00

「DEMシミュレーションの現状と課題」

東京農工大 生物応用システム科学研究科 野田 怜治氏


 流動層内の流れ場や粒子の挙動を把握し、これに基づいて装置特性を理解することは、装置設計上極めて有益である。本報では、離散要素法(DEM)を中心に、流動層の数値シミュレーション方法について鳥瞰し、その現状と課題について考える。


17:00 閉会挨拶


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