夏、外は灼熱。室内は極寒。
温度差が大きいほど、体温調整の負担が増えます。
体温調整には、自律神経、特に交感神経がメインで動いています。
暑いとき
→ 血管を広げて熱を逃がす
汗を出して体温を下げる
寒いとき
→ 血管を縮めて熱を逃がさないようにする
夏は体温調整で、交感神経が出ずっぱりになります。
副交感神経が立ち上がってくる余白がありません。
副交感神経は「休む・回復する・消化する」系を司っています。
これが何日も続くと、交感神経の命令を受け取る受容体は感度を下げていくことが分かっています。
つまり、体温や血圧を調整する能力が低下します。
暑さはミトコンドリアのATP産生能力を低下させることも知られています。
これは、体内でエネルギーが足りなくなるということ。
夏バテの症状を生理学的にみてみます。
なんとなくだるい
→ 頻繁な体温調整と、ATP産生低下
疲れが抜けない
→ エネルギーが作られず、睡眠の質も落ちやすい
胃腸の調子が悪い
→ 交感神経優位がで、副交感神経の消化機能が低下
立ちくらみがする
→ 血圧維持の循環調整が追いつかなくなる
吐き気がする
→ 胃腸機能の低下や脱水などの重なり
もちろん夏バテは、自律神経やミトコンドリアだけが原因じゃありません。
水分やミネラル不足、栄養の偏り、睡眠不足なども関係しています。
さて、夏バテの原因を知っただけで夏を乗り切れるわけじゃありません。
養生が必要です。
次は養生について見てみましょう。
養生とは、健康を維持することや、病気・ケガの回復に努めて体を休めることを指します。
食事、睡眠、運動、体温管理など方法は様々ですが、
身体にかかる負担を減らし、調整機能が働きやすい状態を保つことです。
例えば、
食養生
温養生
運動養生
睡眠養生
季節の養生
鍼灸などのメンテナンス
と、他にも々ありますが、全ての目的は同じで、
身体が行っている調整の負荷を減らし、それらが働きやすい状態を目指すもの。
ちなみに東洋医学では、こうした養生を通じて「先天の精(生まれ持った力)」を大切に使いながら暮らすことを重視されています。
昔の人は経験的に、夏を楽に過ごすための工夫をたくさん残しています。
冷たいものを摂りすぎない
冷たい物を摂りすぎると胃腸機能が低下します。
悲しいですが本当です。
養生に厳しい先生は「アイスなんか食ったら死ぬぞ!」って言ってました(笑)
胃腸をいたわる
暑い日に、なぜか脂っこい焼肉や揚げ物が食べたくなるのは、副交感神経の働きが弱って、脳がエネルギー不足と思っているから。
そんな日こそ、消化の良い温かいものを食べる。
汗をかいたら、水分塩分
汗と一緒に、水分や電解質も失われます。
麦茶や梅干しが夏の定番なのも、理にかなっています。
夜更かしをしない
日中は体温調整のために身体が無意識に疲れています。
夏に限らずですが、睡眠はその負担から回復するための大切な時間です。
性交しないことも、先天の精を減らさないと教わった気がします。
外との温度差を小さく
外との温度差が大きいほど、体温調整の負担は増えます。
エアコンは必要ですが、冷やしすぎには少し注意です。
ご自身の寒いと感じやすい部分(例えば二の腕やふくらはぎ、お腹など)は、先回りして衣服などの調整必須です。
首元を冷やす
濡れた手ぬぐいは、気化熱によって身体の熱を逃がします。
体温調節の負担を減らす助けになります。
ぬるめのお風呂に浸かる
夏は交感神経優位になりやすい季節。
湯船に浸かって、ゆっくり力を抜く時間を作るのが目的。
養生というと特別なことのように聞こえますけど、昭和生まれからしてみたら、案外普通のこと言ってるだけって感じしますよね。
私のオススメは、猛暑の中、焼肉(特にカルビ)が食べたくなったら、まずはおかゆを食べてみることです(笑)
意外と効きますよ。
去年は6月から夏バテしてた私ですが、今年はもう少し養生を意識するつもりです。