2013年05月13日
▼今回は三陸鉄道南リアス線の乗車を中心にお話しします。南リアス線は今年の4月に、吉浜-盛間が復旧したばかりです。
▼釜石からバスに乗車し吉浜駅に到着しました。おしゃれな外観の駅舎です。デザインは女優の川上麻衣子さんが担当したそうです。二つの窓が「目」、その間に「鼻と口」が描かれていて笑顔のよう。南リアス線は現在、吉浜-盛間を1日7往復しています。
▼吉浜17:09発の盛行き列車がホームに入線しました。真新しい新型列車が夕日にまぶしく映えます。発車前、若い運転士さんのタバコの一服も、何だかさまになっています。
▼車両下側には「新潟トランシス2013」のプレート。新潟トランシスはローカル線のディーゼル車両を製造する国内トップメーカー。今年製造された新車であることの証明です。車両はクウェート国の支援を受けて購入したそうです。
▼車内は新車の匂いがします。こんなピカピカの新型車両なのに、乗客は私ひとり。まるで私のための専用列車のよう。先週のNHK「あまちゃん」では、アキが臨時の貸し切り列車で東京に向かいましたが同じシチュエーションです。新車の列車にひとりで乗車できるなんて、一生に一度あるかないかの機会です。
▼運転台にはカラーモニターが装備されています。新しすぎて、まるで最新のゲーム機のよう。
▼車窓から吉浜の海岸を撮影しました。この地域は、100年以上昔の明治三陸大津波の際、大きな被害を受けた教訓から、ほとんどの住民が高台に住んでいたため、2年前の津波被害は少なかったとのこと。線路もかなり山側に敷かれています。
▼途中の恋し浜駅。淡いブルーのロマンチックな看板が目を引きます。以前の駅名「小石浜」の表記を、数年前に「恋し浜」に変更したそうです。若いカップルのデートスポットになりそうですね。現地に足を運べない人のために、切符はネット通販もしているそうです。結婚式の引き出物に購入するカップルもいるとのこと。ちなみに、名前に「恋」の付く駅は全国に四つあり、あとの三つは、母恋駅(JR北海道=室蘭市)、恋ケ窪駅(西武鉄道=東京都国分寺市)、恋山形駅(智頭急行=鳥取県智頭町)。
▼盛駅に到着。イケメン駅員がお出迎え。といっても看板に描かれた等身大のイラストです。名前は「恋し浜レン」。三陸鉄道の社員キャラクター「鉄道ダンシ」のひとりです。イメージアップにかける三陸鉄道の意気込みが伝わってきます。でも、茶髪(赤毛?)の恋し浜レンが実在の駅員だったら、ちょっと引くかも!?
▼盛から先はバスの旅となりますが路線バスではなく、BRT(バス・ラピッド・トランジット=バス高速輸送システム)と呼ばれています。以前の鉄道軌道を撤去し、舗装した専用道路をバスが運行するシステム。写真中央に写る高架通路は、かつての鉄道駅の名残です。
▼BRTに乗車し、夕方この日の宿泊地の大船渡に到着しました。食事をしようと思い散策すると「復興大船渡プレハブ横丁」の看板を発見。仮設のプレハブに飲食店が18店ほど軒を連ねていました。
▼さっそく一軒の居酒屋に入り、「さんま船上丸干し」「つぶバター醤油(しょうゆ)焼き」「えび塩焼」、それにビールを注文。地元の海の幸を堪能できました。
▼「さんま船上丸干し」は5本で350円。安くてうまい!つぶバターとビールも絶妙の組み合わせ!みなさんもぜひご賞味を。
この日、大船渡の隣町の下船渡(しもふなと)の民宿に宿泊しました。下船渡は津波の被害が比較的少ない地域でした。翌日はいよいよ陸前高田に向けて出発。三陸復興国立公園の南端、気仙沼を目指します。