2013年05月11日、12日
NHKドラマ「あまちゃん」にはまっています。今回はドラマにも登場する三陸鉄道北リアス線の乗車を中心とした旅路を紹介します。
◆
▼学生以来20年ぶりにフェリーに乗船し、本州に渡りました。昔は貧乏だったので2等室(要するに、ザコ寝の大部屋)で旅をしましたが、今回は一つグレードを上げて2等寝台を取りました。窓のない寝るだけの狭い個室ですが、私にはじゅうぶんぜいたく。宿泊費込みと思えば安いもの。往復乗船券ならもっと割引されますが、今回は「放浪ひとり旅」ゆえに、帰りの切符は買わずに旅に出ました。
▼翌早朝、八戸フェリーターミナルに到着し、JR八戸線に乗車して、まず最初の目的地の久慈駅に到着。今どきの小学生も言わないダジャレですが、本当に9時に久慈駅に到着したんです。この駅はNHK「あまちゃん」のなかでは、架空の「北三陸市の北三陸駅」という設定になっています。「あまちゃん効果」で観光客が多いのかと思いきや、GW後の平日ということもあり、駅は閑散としていました。
▼いよいよ三陸鉄道北リアス線に乗車。途中、田野畑から小本間は震災の影響で不通になっているため、まず、久慈から田野畑までの乗車です。乗車料金は960円。
▼NHK「あまちゃん」オープニングに登場する、白をベースに赤と青のラインの列車。ドラマの影響で、このデザインは一躍全国に知れ渡ることになりました。ワンマン列車です。
▼三陸鉄道の魅力は、なんと言っても美しい三陸海岸が車窓から眺められること。「あまちゃん人気」で海側の窓側席に座れないのでは?と心配していましたが拍子抜け。観光客の姿はなく、乗客は地元の数人だけです。
▼おかげで車窓から、美しい三陸海岸の景色を堪能できました。途中、撮影スポットの海岸線では、列車を数分間停止し、写真撮影の時間を取ってくれます。都会の通勤列車では考えられないサービスです。
▼列車の旅の楽しみのひとつは、昼間から自由にお酒が飲めること。誰にもとがめられることはありません。ビール片手に何も考えず、ボーッと美しい車窓の風景を眺めるローカル線の旅は、この上ない至福のひととき。のんびり気持ち良くなって、うとうと居眠りでもすれば、旅の疲れも取れてしまうというものです。
▼田野畑駅に到着。駅舎は「カンパネルラ田野畑」という複合施設になってます。おしゃれな外観で、食堂・売店や、震災の写真展示コーナーもありました。先週の「あまちゃん」では、お座敷列車の折り返し駅として、この駅舎が放映されていました。主人公アキが初恋の先輩とお別れする、切ない舞台でもありました。入り口の左右には「あまちゃん」PRのポスターが貼ってあります。先週の放送後は、観光客が増えたことでしょう。
▼田野畑から小本までは代替バスに乗車し、そこから北リアス線の終着駅・宮古まで、ふたたび三陸鉄道に乗車しました。
▼車内のトイレは故障中らしく、張り紙が貼ってあります。別に「すみません」と謝らなくてもいいと思いますが、いかにも地方ローカル線らしい掲示です。
「すみません、トイレ我慢できません」と運転士に言ったら、「私はワンマン列車の(独断者の)ワンマン運転士。終点まで我慢して!」と、怒られたりして…。