2013年05月13日
▼旅も後半に入ります。今回は宮古から釜石までの旅路を紹介します。
▼宮古-釜石間のJR山田線は今も不通です。そのため国道45号線をバスで南下しました。宮古は始発だったこともあり、一番前の席に乗車できました。向かって左側が海なので、三陸鉄道同様に「特等席」で海岸の景色を眺めていきました。
▼本来なら、海岸沿いの住宅や街並みを眺めていけるのでしょうが、バスの車窓から見えるものは、被災した住宅跡の基礎コンクリ部分がむき出しになった、灰色の単調な風景です。
▼大槌町でバスを途中下車しました。ここは、震災の被害が特に大きかった地域。基礎だけが残された住宅跡地から、黄色い花を付けた雑草が茂っています。風呂場の浴槽は、そのままの状態です。以前は普通の暮らしがあったことを物語っています。中央遠方の建物は、大槌町の旧役場庁舎です。
▼大槌町の旧役場庁舎の全景です。被災したままの状態になっています。当時の町長が、この庁舎の前で災害対策会議の最中に津波に流され、後日遺体で発見されるという、たいへん痛ましい事態にみまわれました。この旧庁舎は、震災を後世に伝えていくための「震災遺構」として一部が保存されることになりました
▼役場庁舎から少し離れた歩道に、青いペイントスプレーで書かれた文字があります。「どこにいだの(どこにいるの) みんなまってるよ!」行方不明の家族が自宅に戻ってきた時のためのメッセージです。添えられている花と水は、家族の手で今も頻繁に取り換えられているのでしょう。
▼被災地を見守る位置に、東日本大震災一周忌の供養塔が立てられています。黙とうさせていただきました。
▼小高い丘から、大槌町の被災地全景を撮影しました。左上の建物が、旧役場庁舎です。
▼昼すぎに釜石に到着しました。釜石港を見下ろす避難場所から撮影しました。この地域も津波で大きな被害をもたらしましたが、今は、がれきはほとんど除去されています。
▼三陸鉄道釜石駅に到着しました。現在、この駅から列車の発着はなく、駅舎は震災後2年近く閉鎖していましたが、今はジオラマ展示スペースやカフェとして活用されています。そういえばNHK「あまちゃん」にも、ジオラマとカフェが登場します。この駅にヒントを得たのかな?
▼ジオラマの全景です。細部までよくできています。右下の「運転台」で、ミニチュア列車の発車・停車が自由に行えます。
▼ジオラマの拡大写真です。「あまちゃん」でもおなじみの三陸鉄道の赤と青の列車が停車しています。ホームに立つ人がリアル!
来年の春には、釜石発の列車の運行再開が予定されています。次回の訪問時には、ジオラマではなく実物の列車に乗車できることでしょう。楽しみにしています。