『稀なる看護師:
障害があっても強くしなやかに生きる看護師たちの物語』
ドナ・キャロル・マハディ 編著
『稀なる看護師:
障害があっても強くしなやかに生きる看護師たちの物語』
ドナ・キャロル・マハディ 編著
Donna Carol Maheady,
“The Exceptional Nurse: Tales from the trenches of truly resilient nurses working with disabilities. ”
CreateSpace Independent Publishing Platform, 2014. (Kindle 版あり)
たとえ障害・疾患は異なっていても、自分が経験したのと同じようなエピソードやその時の思いが数多く語られていて、とても癒される本です。 (川端 記)
本書、前掲書やマハディ博士のNPOサイトに登場する、34人の、障害や疾患を持って働く看護師・学ぶ看護学生たちの姿が、右のスライドショーにて紹介されています。
同NPOのYouTubeチャンネルより
「Exceptional Nurse Holiday Slide Show」
以下、もくじ、裏表紙 からの引用・和訳です。
もくじ
献辞
序論
第1章 レジリエンスについて
第2章 合理的配慮:障害を持つ看護師への法的保護
第3章 合衆国 職業リハビリテーションシステムの上手な利用法:
外傷や障害を負った後に看護職として働くために
第4章 最初の一歩:仙骨形成不全と共に歩む看護
第5章 乗り越えられない山はない:学習障害を持つ看護師の道のり
第6章 試し回り 唸りに唸って 得る勝利:難聴を持っての看護
第7章 思いがけない贈り物:1型糖尿病と共に歩む看護
第8章 病んで疲れることに病み疲れて:ループスと共に歩む看護
第9章 あり方は違っても健康的に生きる:黄斑変性と歩む看護
第10章 移住は叶わなくても:反射性交感神経性ジストロフィーと歩む看護
第11章 力量を示し続ける、何度でも何度でも:難聴、人工内耳で看護する
第12章 わら1本が多すぎた:血栓・うつ・ハリケーンと共に歩む看護
第13章 辛い時間は続かない。辛さがくれた強みは続く:切断を乗り越えての看護
第14章 挑戦の中でスキルを編み上げる:視力低下と歩む看護
第15章 あるがままの私たちを愛しましょう:脳卒中を克服した看護師
第16章 未来のための計画立案
結論
結びのアファメーション
付録A 合理的配慮依頼文書の書き方
付録B 精神障害を雇用者に開示する方法
付録C 州職業リハビリテーションサービスへの依頼方法
リソース一覧
(下線は訳者による)
著者について
ドナ・キャロル・マハディ Donna Carol Maheady
高度実践看護師(ANRP)、教育学博士、看護教員
障害のある看護師・看護学生に関し、本書を含め4冊の本の編著者であり、非営利の支援団体:www.ExceptionalNurseを創立し活動している。
推薦のことば(ペーパーバック版 iii~ivページより)
克服するのは無理だ、と思われるほどの障壁に幾度も直面しながら、それでもなお己の選んだ専門職の道を追い求めた不屈の看護師たちの物語がここにある。彼女らが患者のニードを察知する際の鋭い直感は、まさに“類い稀なる看護師たち”と呼ぶにふさわしい。これらの物語は、現職の看護師たち、これから看護の道を選ぼうとしている人たちを大いに励ましてくれるだろう。これら不屈の物語を世にもたらしてくれたマハディ博士に大いなる賞賛を送りたい。
カレン ケリー、教育学博士、登録看護師
南イリノイ大学エドワーズビル校 看護部、職員教育担当看護課長、准教授
この本はインスピレーション、そして幾多の耐え難い状況で使える様々な資源を教えてくれます。そして何より私にとっては“あなただけじゃない!”と教えてくれた本。登場する看護師たちは、彼女らの勇気と、暗闇のただ中にあっても光を見出して最後までやり遂げる方法をシェアしてくれます。あなたの試練がまだ始まっていなくても、あるいは試練の真っただ中にあっても、この本はあなたを導き励ましてくれるでしょう。私はずっとてんかんと共に生きてきました。自分の試練を受け入られるようになった今は、周囲の皆さんに深く感謝しています。それは発作と生きる私の物語を共に歩んでくれた同僚、患者さんたち、そして家族への、心からの感謝です。てんかんを持っている私でも、人として当たり前に生きて、そして看護師であり続ける…それは可能なのです。
エリカ・レイニー、登録看護師
フロリダ北東コミュニティ・ホスピス、フロリダ州ジャクソンビル
障害は、私の未来に起こるのかもしれません。大学が果たして私をどう遇するのか、知りたく思います。看護学科と看護学生が共に障害を持つ時、大学は機会の均等とダイバーシティーに向けた献身を示してくれました。ケアする私たち看護師自身をケアできるようなプログラムが目指されるべきだと思います。最初の質問は、たぶんこうあるべきでしょう“あなたの目標を実現する際に、私たちにはどんな支援が出来ますか?”
ジル E. ウィンランド-ブラウン、教育学博士
認定家族看護プラクティショナー(FNP-BC)
全米医療実践アカデミー殊勲会員(DMNAP)
州立フロリダ大西洋大学クリスティーン E. リン・カレッジ(看護学科)教授
アメリカ看護師協会倫理人権諮問委員会委員
看護の仕事は天職です。看護学校は挑戦です。看護学生と教員が協働して試練に対処すれば、看護学校が“障害”を持っていたとしても、それは克服できます。この本は、どうしたらそのような挑戦に挑めるのか、また達成できたのか上手に説明してくれる本です。二分脊椎症で車椅子を使っている看護師として、それが達成できることを私は知っています。
マリアンヌ・ハウ 登録看護師、看護学修士
認定リハビリテーション看護師(CRRN)
シュライナーズこども病院-シカゴ教育担当職員
ウイリアム・レイニー・ハーパー・カレッジ臨地実習スーパーバイザー
セント・フランシス-ジョリエット大学臨地実習スーパーバイザー
心に響く物語の数々です。ここに登場する看護師たちは困難を乗り切っただけでなく、一生続く障害、あるいは予期せぬ疾患に打ち勝ち成長してきたのです。それぞれの旅路がなんと胸を打つことか。もしあなたが差別されている身なら、それを突き抜けていくには時間がかかると知ることが大事です。差別やいじめから完全に守ってくれるものはありません。調査が進行中の人をどう守ってあげたらよいのでしょう。年に一度の点検――“もし何か”と考えておくこと、予期せぬ未来に備えた計画、何事も運任せにしないことが確かに役に立つと本書は示唆しています。
ポーラ・マクウィリアム、教育学博士、新生児期看護プラクティショナー
セントジョセフ大学看護学科准教授
ニューハンプシャー大学客員教授(看護研究)
www.exceptionalnurse.comにおけるメンター/擁護者
内容紹介(ペーパーバック版 裏表紙より)
彼女らには力がある。彼女らはへこたれない。彼女らはしなやか。彼女らは稀なる看護師。
ここであなたが出会うのは、まさに人の励みとなる物語。障害を持つ看護師たちは、著しい不利に打ち勝ちながら、その職からくる幾多の心身上の難問を解きながら、あくまで看護師としてあり続ける。
例えば、彼自身がもっとも適応できるシステムを作り上げた学習障害を持つ看護師。
幾多の温存術も叶わず下肢切断に至った看護師は、それを乗り越え看護師として働き続けている。
恐ろしいハリケーンの中で働いてついに心の病を得てしまった看護師は、自身を看まもり病を克服する中、大いなる学びを得て再び看護師として生き続ける。
聴覚を失いながら、なお看護師として働き続ける者たちの物語。そこからあなたは何を聴きとるだろう。視覚が薄れていっても決してその天職を諦めなかった看護師の物語から、あなたが見いだすものは何だろう。
全ての物語に通じあうのは、看護師ならではのしなやかさが逆境から己を引出し、より力溢れるより優秀な看護師に、彼女らが織り上ってゆくこと。
本書には、職業リハビリテーションシステムの活用方法や、必要なサービスを得るためのガイド、雇用者と合理的配慮をシェアするための書式例、精神疾患をもっとも上手に開示する/しないやり方といった、実用的な情報も収められている。
あなたが障害とともに生きる看護師/看護学生であっても、また彼女らをケアする立場であっても、本書はあなたを励ましあなた自身も稀なる看護師に導くと信ずる。