『障害を持った看護学生たち、流れを変える』
ドナ・キャロル・マハディ 編著
ドナ・キャロル・マハディ 編著
Donna Carol Maheady,
“Nursing Students with Disabilities Change the Course”,
Exceptional Parent Press, 2011
米国で、障害や病気を持って看護学校に通った、それも、しばしば再チャレンジを経てきた8人の看護師のストーリーに加え、解説、つまり「もし仮に、組織的に支援がなされていたらどうだっただろう…」とマハディ博士が考えた支援のプランが添えられています。
何度も読んだり、個人的に訳したりしています。
なんとも使用感のある表紙写真ですみません!
(川端 記)
以下、もくじ、内容紹介のページ、推薦のことばページ からの引用・和訳です。
もくじ
まえがき
序論
第1章 成功に向けた計画づくり:個別看護教育計画
第2章 最適なキャリアを選びとる:難聴を持ち看護を学ぶ
第3章 ぴったり合った教育プログラムを見つけ出す:重複障害と共に学ぶ
第4章 開示は必須事項:クローン病を抱えながら通った看護学校
第5章 恐れを克服していく:聴覚障害を持って通う看護学校
第6章 患者さん方と分かち合う:糖尿病マザーの看護学生
第7章 力量を問う:車椅子で通った看護学校
第8章 看護師達が聴く事を感じ見ていく:聴覚障害と共に歩む看護学校
第9章 自分の体と心も看護する:体幹ギプスで通いながら
あとがき
リソース一覧
(下線は訳者による)
著者について
ドナ・キャロル・マハディ Donna Carol Maheady
高度実践看護師(ANRP)、教育学博士、看護教員
障害のある看護師・看護学生に関し、本書を含め4冊の本の編著者であり、非営利の支援団体:www.ExceptionalNurseを創立し活動している。
内容紹介のページより
障害を持つ者が看護師を目指す時、その道のりはしばしば長く困難なものになる。そこに立ちはだかる様々な障壁は、社会の主流で生きられる人がまず遭遇しない、と言えるほど厳しいものです。個人のレベルでも、専門職としての立場でも、社会的な面でも試練が生じるのです。
自閉症、強迫性障害、そしててんかんを持つ娘の母親でもあるドナ・マハーディ博士は、障害を持ちながらも看護師になった者たちの真実の物語に、光を当ててくれました。障害を持った彼女たちは、そのような長くて辛い道のりを見事に歩み通して、立派な医療専門職になりたいというその夢を実現してきたのです。
推薦のことばページより
ろうの看護学生を教育者として初めて受けもった時、私はその学生が最良の経験を積めるためなら何でもしようと躍起になったものでした。この本はそんなポジティブなアプローチが、実際の所はどのように進められてきたのか、活き活きと描写しています。
マーサ・E. マクエレー、看護学修士、CCRNTM(ロックハースト大学)
訳注)ネット上で彼女のろう看護学生への支援資料が閲覧できる(英文)
http://www.exceptionalnurse.com/pdf/DeafStudent2.pdf
本書は様々な障害を持つ看護学生がその学びを支援されるとき、看護教育プログラムそのものが直面することになる試練について幅広くかつ感性豊かに描いています。加えてこの本は単にそのような挑戦の姿を述べるだけでなく、みんながきちんと試練に取り組んでいけた時に示される、イノベーティブかつ実用的なアプローチの数々を教えてくれています。
リンダ・スリマー、博士(公共政策分析学)、登録看護師(イリノイ大学シカゴ校)
障害を持つ看護学生のニードを、合理的配慮と効果的な個別教育計画という観点から見ていくとき、立てるべき教育プランは学生自身が自らの目標達成を確信できる道筋を具体的に示せるものであるべきです。試行錯誤ばかりを強いられる道のりや、まして本人一人が障害を隠したまま苦学していくことがないようにしたいものです。
スーザン B マット、看護学博士、法務博士、弁護士(シアトル大学)
願わくはこの本が、看護学科に在籍している学生にとって自分の障害を開示しやすい環境を実現しますように。そして看護学科の先生方が学生の声を確実に聴き取って、なおかつ障害を持つ彼女たちが看護の世界にもたらしてくれだろう恩恵の数々を理解してくださいますように。
ジル E. ウィンランド-ブラウン、教育学博士
高度実践看護師(フロリダ大西洋大学)