どんな疾患・障害をもつ看護師がおり、
どういう職種に就いているか…ざっと見ていきましょう。
(「まれかん」(=「稀な看護師」)を当たり前の存在にして、こういうご紹介がいらない世界にしていきましょう!)
1~3)米国の当事者看護師ナラティブ集3冊から
1) 学生時代の学び方→看護職:8人
障害:
聴覚障害、身体障害(脊椎側弯症、事故による脊椎損傷)、糖尿病、クローン病、および重複障害
2)看護師:11人
障害:
聴覚障害、視覚障害(網膜色素変性症)、先天性身体障害(片手、二分脊椎症)、背部負傷、HIV、ジストニア、多発性硬化症、関節リウマチ/双極性障害(の重複)、微細振戦/うつ/腎臓がん(の重複)、ギラン-バレー/変形性関節症/肥満(の重複)
3)看護師:12人
障害:
聴覚障害、視覚障害(黄斑変性、コロボーマ)、脳卒中、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス、下肢切断、先天性身体障害(仙骨形成不全)、反射性交感神経性ジストロフィー、学習障害/ADHD(の重複)、血栓/うつ/ハリケーン被災(の重複)
4)ぬり絵の本から
障害:視覚障害、聴覚障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、ディスレクシア、脊髄損傷、二分脊椎症、骨形成不全症、先天性四肢欠損症、脳性麻痺、てんかん、喘息、鎌状赤血球症
職種(活躍領域):
病棟看護師(小児科、周手術期ほか)、麻酔科看護師、ケース・マネージャー、フライト・ナース、クルーズ・シップ・ナース、ホスピス・ナース、移植コーディネーター、医療情報の提供、病院での職員教育担当、患者さんへの教育、看護学校の教員、保健師、養護教諭、在宅看護師、看護管理者(在宅医療機関ほか)、教会の看護師(信仰共同体看護師)、障害者のキャリア支援職、テーマパークや障害者イベント(スポーツ大会、キャンプ等)の看護師、患者会・当事者会の看護師/ファシリテーター/ピア・カウンセラー/メンター、ナース・プラクティショナー(小児、精神、成人、老年、保健センターほか)、看護研究者
5)米国の障害のある看護師の研究書から
障害:関節リウマチ、関節痛、腰背部痛、椎間板ヘルニア、変形性関節症、乾癬性関節炎、関節形成術、手関節滑膜切除術、手足関節の癒、慢性痛、脊髄損傷、四肢切断、対まひ、ファロー四徴症、筋ジストロフィー、ポリオ後症候群、ラテックスアレルギー、クローン病、多発性硬化症、線維筋痛症、糖尿病、尿道造瘻術、てんかん、発作性疾患、脳卒中、脳腫瘍後遺症、聴覚障害、ろう、音声障害、視覚障害
(この研究書は精神障害、発達障害は含まない)
職種(活躍領域):
整形外科(は理解が得られやすいという)、内科外科看護、高度看護施設、救急センター、腫瘍科領域、産科・新生児科病棟、小児プライマリーケア、リハビリテーション、透析センター/クリニック、外科センター、精神科領域/精神保健、老年領域、公衆衛生、労働衛生、在宅ケア、教育(オンラインを含む)、養護教諭、診療所の看護師、産科クリニック、個人開業の看護師、看護管理者(電話による)、電話による疾病管理、法律相談看護職、医療保険会社、刑務所看護師、看護研究者、看護インフォマティクス
例えば、「障害」と「看護師」で検索しても、“障害者を援助する看護師”の情報ばかり出てきて、肝心の「障害のある看護師」の情報は、なかなかヒットしないと思います。
私共もまだまだ集めきれてはいませんが、なるべく多くの先輩方、仲間たちの情報を追加・シェアできれば嬉しいです。よろしくお願いします。
障害のある日本の看護師・医療職に関する「文献・資料リスト」を、「資料スプレッドシート」のページでご覧になれます。(あるいはフォームでご請求ください)
用語の説明)
1)法律相談看護職(LNC)とは、米国で医療関連の法律問題について専門的な訓練を受けた看護職で、法律の専門家である弁護士と比較すれば、LNCは看護・医療システムと法律の橋渡しをする専門家です。
2)看護インフォマティクスとは、看護学を情報管理や分析科学と統合して、看護実践におけるデータ・情報・知識等を識別・定義・管理・伝達する専門分野で、意思決定支援などを行います。