『看護師を取り残すな:
障害を持って働く看護師たち 』
ドナ・キャロル・マハディ 編著
ドナ・キャロル・マハディ 編著
Donna Carol Maheady,
“Leave No Nurse Behind: Nurses working with disAbilities ”
iUnivserse, 2009. (Kindle 版あり)
障害に関連して病棟看護師を辞めざるを得なくなったあと、障害を持つ医療職の再就労支援実績のある就労移行支援事業所を見つけ通う中でこの本を知り、まるで自分への贈り物のように思え、読むだけでは気が済まず、施設実習の合間にも夢中で訳していました。 (川端 記)
以下、もくじ、裏表紙 からの引用・和訳です。
もくじ
フロリダへようこそ:障害を持つようになった看護師たちのための一つの寓話
謝辞
まえがき
序文
第1章 合理的配慮:障害を持つ看護師への法的保護
第2章 精一杯生きる!:多発性硬化症の看護師
第3章 ひと山越えて、またひと山
:ギラン-バレー、変形性関節症、肥満と歩む看護
第4章 私は障害者なの?:片手の看護師
第5章 遅咲きだった私:関節リウマチ、双極性障害を経験した看護師
第6章 暮れゆく太陽:網膜色素変性症を持ちながらの看護
第7章 震え、不安を超えて進む:微細振戦、うつ、がんを経験した看護師
第8章 “ちびっこ きかんしゃ だいじょうぶ”:ろう文化者の看護師
第9章 やれやれ、また腰が痛むよ!:労災の後も看護する
第10章 クールな車椅子ナース:二分脊椎症と共にする看護
第11章 賜物としての障害:HIVを持ちながらの看護
第12章 諦めない:ジストニアを持ちながら看護する私
第13章 未来のための計画立案
結び
付録A 合理的配慮依頼文書の書き方
付録B 精神障害を雇用者に開示する方法
付録C 難しい上司との関わり方
リソース一覧
(下線は訳者による)
著者について
ドナ・キャロル・マハディ Donna Carol Maheady
高度実践看護師(ANRP)、教育学博士、看護教員
障害のある看護師・看護学生に関し、本書を含め4冊の本の編著者であり、非営利の支援団体:www.ExceptionalNurseを創立し活動している。
ペーパーバック版裏表紙の言葉より
看護師が足りない今このとき、働くことができ働きたいと望むおおぜいの看護師たちが、その機会を与えられないままでいます。彼女たちは職場から追い出される一方、看護師が足りない職場であっても受け入れてはもらえません。すべては障害のせいで。
この本では11人の看護師が、障害に挑み差別にさらされるなか発揮した勇気と決断の物語を語ってくれています。彼女たち(彼ら)はまた、深刻な看護師不足が続く中、障害のある看護師もそれぞれの職場でうまく仕事をこなせるだけの力を持っていることを明らかにしていきます。
交通事故、転倒・転落、脳卒中、うつ病……障害や病気は、いつでも誰にでも起こりうるもの。本書では、自分や仲間の看護師がとつぜん障害・疾患を持つようになっても大丈夫なよう、米国で看護師が知っておくべき障害者諸法とその現実、様々な対処の仕方について述べていきます。
この本は、障害とともに生きて働く看護師の皆さん、障害を持ちながらも看護師になるという夢に全力で挑んでくださる学生の皆さんに、実践的なガイドとして、あるいはインスピレーションの源として、お役に立とうとするものです。障害を持って看護するというのは、確かに大きな試練です。けれど、的確な計画と十分な知識、そして粘り強さをもって取り組めば大丈夫。ここに自身の物語をシェアしてくれる11人の看護師が、その生きたあかしです。
本書を読んでくだされば、看護師の世界でこのまま障害・疾患のある看護師や看護学生を仲間外れにし続けていても、彼女たちを必要としている当の患者さんにとって、あるいは看護界そのものにとって、何の益にもならないことが見えてくると思います。そういう意味で、病院の管理者や人事部の皆さん、そして看護教育に携わる方々にもぜひ読んで頂きたい本です。
本書をきっかけに、働くことができ働きたいと願うすべての看護師に思いをはせ、「誰一人取り残さない社会」をめざして、やれるだけのことをやってみませんか。彼女たちの意欲や能力、知性や思いやりを遊ばせておくのは何とももったいないことではないでしょうか。
この本に出逢えたのは、次の二つのサイトのおかげでした。
ご紹介、本当にありがとうございます。
公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会の情報サイト:
障害保健福祉研究情報システム(DINF)より
ホーム>世界の動き>各国の情報>アメリカ合衆国(米国)>
[米国]障害のある看護師についての本
https://www.dinf.ne.jp/d/1/033.html
2016年、新入生にすすめる本
日本赤十字九州国際看護大学 教員によるブックガイド、
3ページめ、エレーラ・カディジョ・ルルデス・ロサリオ先生によるご紹介
https://www.jrckicn.ac.jp/wp/wp-content/uploads/titles2016.pdf