<テレビ修理の巻き>
学生時代は、どっぷり電子工作とハムばかりやっていて、いつも貧乏だったと
記憶している。
新規で作るとお金がかかるので、ゴミ捨て場に落ちている物を拾って来て
修理を楽しむ時期があった。
これはトランジスタ、これはコンデンサとか分かっても、どこが壊れているかを
発見し、修理するのはとても難しい。
しかし、これが、とても良い勉強になる。
一番勉強になったのは、やはりテレビの修理。
電圧は数uVから数十kV、周波数はDCから1GHZまで増幅とフィルターの塊り。
まさに、電子工学の全てを取り込んだ製品なのだ。
電子工学を学ぶなら、テレビの修理をと言いたいが、もう既に
ブラウン管テレビは皆無であり、ああ、今の学生はかわいそう。
せっかくの勉強のチャンスが無いのだ。
基板が読める様になったのもこのころ。
テレビはローコストだら、片面基板で作られており、パターンを追うのが
簡単だった。(シバソクは両面基板を使っていて驚いた)
そのうち、なんでこんな引き回しなのか?と考える様になり、技術者の
苦労が次第に分かるようになるのは、まだ先のお話し。
ブラウン管が温まっている状態は、見ためがとても怖い。
フィラメントがオレンジ色に発光しているし、なんせ、25kV/15kHzでばちばち
高電圧を飛ばしているのである。
爆発したら大けがだなと毎回思っていた。(爆発しないけれどな)
誰に教わることなく始めた修理だが、加藤少年は本能的に必要と
判断していたのであろう。
あえて言おう。修理はとても良い勉強。
捨ててしまう前に中身を見て、設計者の意図を感じて欲しい。
(写真は最近修理した液晶テレビの電源基板)