ある因子の効果と別の因子の効果が分離できなくなることを、交絡関係にあるという。レギュラーな一部実施要因計画の理論とは、モデルに含めたい全ての効果が交絡しないような一部実施要因計画を選ぶための方法論である。


主効果モデルの式を立てて、各変数をx=-1(第1水準), x=1(第2水準)として、実験計画表を作る。

大雑把に言うと「実験計画は各列が直交する(=内積が0になる)ように基本的に作成する」ということになる。


[定義対比]

例えば5つの要因A,B,C,D,Eがあるとき、全ての組み合わせを試すには2^5=32通りの実験が必要になる。それが出来ない場合はいくつかの組み合わせに絞る必要がある。その様な場合にどのように組み合わせを限定したかを表すのが定義対比である。

例えば定義対比がACDと書かれていた場合、実施される実験は全てACD=1という条件を満たしているという意味である。

またこのとき、要因Aの主効果は要因Cと要因Dの2因子交互作用と交絡する。


[多項式モデル](2012年理工問2, 18年理工問4, 22年理工問3)

実験計画の多項式モデル(Polynomial Regression in Experimental Design)は、実験データの分析とモデリングに使用される統計的手法の一つ。

実験計画の多項式モデルは、次のような一般的な形式で表現される:

Y = β₀ + β₁X + β₂X² + β₃X³ + ... + βₖXᵏ + ε

ここで、Yは応答変数(実験結果)、Xは説明変数(操作条件や独立変数)、β₀、β₁、β₂、...、βₖはモデルの係数、kは多項式の次数、εは誤差項を表す。

実験計画の多項式モデルを使用する主な目的は、実験条件と応答変数の関係をより適切にモデル化し、その関係を数学的に表現することである。これにより、実験データから得られた情報をより良く理解し、将来の実験やプロセスの最適化に役立つ洞察を得ることができる。

多項式モデルは、データが非線形関係を持つ場合や、複雑な応答曲線をモデル化する必要がある場合に特に有用である。実験計画の多項式モデルを構築する際には、最適な多項式次数(k)を選択することや、過適合(オーバーフィッティング)を避けることが重要である。また、統計ソフトウェアを使用してモデルの係数を推定し、モデルの適合度を評価するための統計的テストを実行することが一般的である。


[複合中心計画(中心複合計画)]

応答曲面法の1つ。2次多項式を立てて、パラメータのベクトルを重回帰と同様にして求める。その後変数の列ベクトルと掛け合わせ分散を求めることにより予測分散が求まる。

応用曲面法のパラメータの推定は、重回帰分析における最小二乗法による推定と同じである。重回帰分析では観測データを扱うことが多く、応用曲面法では管理された実験データを扱う。

複合中心計画では、x_iの列ベクトルおよびx_ix_jの列ベクトルは互いに直交する。さらにこれらのベクトルはx^2_iの列ベクトルとも直交する。一方、x^2_i同士は直交しない。


[D最適化] (14年理工問2)

計画行列をXとするとき、det((X'X^{-1})を最小にする計画XをD最適計画と呼ぶ。これは、もっともモデル項の交絡が少ない効率的な計画である。

分散共分散行列の成分ができるだけゼロに近いほど、交絡が少ない計画であるということから導かれる。

多項式モデルと、D最適化を組み合わせて使うこともある。