[こち亀の魅力]
主人公両津勘吉を筆頭に一話限りのサブキャラに至るまで、基本的に登場人物が失敗を恐れず大胆に行動し、失敗してもへこたれない。
特に両津は積極的に様々な分野に足を踏み入れるし、さらにただ見て知るだけでなく自ら(専ら金の為に)そのフィールドで何かしらの行動をする。さらにその行動が、漫画故の判定の甘さもかなりあるものの独創的である。この辺は秋本治の力を感じざるを得ない。
また様々なネタを使いつつまとまった世界観を損なわないのは、キャラがしっかり立っているからである。(序盤(と言ってもかなりの長さだが)においてはあまりサブカルには触れずキャラ立てに話を費やしている感はある)
ミリタリー系はアメリカのものが多い。ただしハインドだけはよく登場する。
独特の設定を生かして、警察寮を舞台にすることもよくある。
手のひらをパンッと合わせる動作をよくやる。
誕生日ネタが多い。
両津は金の亡者だが、自分より貧乏な人からは金をむしりとらない。
[50巻くらいからこち亀が充実しだした理由]
・昔の両津は頻繁に自分に理解できないものを罵ったが、それが減った。
・昔の両津は腕力があってタフではあるが、知能は低かった。しかし例えば54巻ではサラリーマン向けの未来通勤電車に関し演説をしているし、72巻では父親にTV業界の製作費の仕組みについて語ったりしている。(ちょっと疑わしい内容だが)
・ボルボ、麻里愛等新キャラが登場した他、従来のキャラも両津との違いがより鮮明になり、バラエティ豊かな内容となった。
・単純に秋本治の画力が向上し、洗練された画風となった。
・「うーむ」「ほとんど○ですよ」等、独特の言葉づかいが増えた。
[100巻くらいからこち亀が劣化した理由]
・まず、絵の下手なアシスタントがやたらでしゃばって作画するようになってしまった。
・仕方ないことではあるが秋元治自身の絵も少し力強さが減ってしまった。(全体的に細くなって、表情がかなり崩れるようになった。)
・時代に合わせて投入した女性キャラがことごとく平凡でこれといった魅力がない。そもそも一般に美形の女性キャラは話のテンションを下げる傾向がある。(イメージを崩せないから)
・両津勘吉のワイルドさや自発性が減った。
・仕方ないことではあるが秋元治自体の持ちネタが尽きてきてしまい、例えばトランプの話ではあまりにレベルの低い常識を語っている。
・マニアックな知識を語るのが魅力のひとつであったが、ネットの普及によりそもそもそういう知識の価値が減ってしまった。
・話の展開が唐突でちぐはぐになる事が増えた。話をまとめるのが下手になった。
・麻里愛の女性化も完全に意味不明。
・レギュラーでない変な人が減った。
寿司屋、少女漫画家、大阪、弓道、漫才の5つは基本的に駄目。
123巻のハムスターの話は、ネット上でも酷評されていた。(同じ巻の本田がぐれる話は良かった)