Japanese Books
このページでは、概説書を中心とした、英語史を学ぶ上で重要で、比較的入手しやすい日本語の書籍をご紹介します(大学の授業の教科書として定評があるものや、比較的最近刊行されたものを優先的に掲載しています)。各書籍は編著者名の五十音順に並んでいます。
入門:通史
朝尾幸次郎. 2019. 『英語の歴史から考える英文法の「なぜ」』 東京:大修館書店. [詳しくはこちら]
朝尾幸次郎. 2021. 『英語の歴史から考える英文法の「なぜ」2 』 東京:大修館書店. [詳しくはこちら]
安藤貞雄. 2002. 『英語史入門 現代英文法のルーツを探る』 東京:開拓社. [通時的な観点から、古英語から現代英語までの語彙・発音・屈折・統語法の変化を解説しています]
家入葉子. 2007. 『ベーシック英語史』 東京:ひつじ書房. [文法変化を中心として、英語史の最重要事項を厳選して簡潔に解説しています]
小倉美知子. 2015. 『変化に重点を置いた英語史』 東京:英宝社. [詳しくはこちら]
片見彰夫・川端朋広・山本史歩子. 2016. 『英語教師のための英語史』 東京:開拓社. [詳しくはこちら]
唐澤一友. 2011. 『英語のルーツ』 横浜:春風社. [詳しくはこちら]
唐澤一友. 2016. 『世界の英語ができるまで』 東京:亜紀書房. [詳しくはこちら]
児馬修. 2018. 『ファンダメンタル英語史 改定版』 東京:ひつじ書房. [詳しくはこちら]
島村宣男. 2006. 『新しい英語史 ―シェイクスピアからの眺め―』 横浜:関東学院大学出版会. [初期近代英語をスタート地点として、中英語・古英語・ゲルマン祖語および印欧語へと遡っています]
武内信一. 2009. 『英語文化史を知るための15 章』 東京:研究社. [社会文化史的な観点から書かれた英語史の解説書です]
寺澤盾. 2008. 『英語の歴史 過去から未来への物語』 東京:中公新書. [現代英語との関連性を常に意識しながら、古英語から未来の英語まで射程に入れた、一般向けの読み物です]
中尾俊夫. 1989. 『英語の歴史』(講談社現代新書 958)東京:講談社. [英語史の初歩的な知識を手軽に得るのに最も便利です]
中尾俊夫・寺島迪子. 1988. 『図説英語史入門』 東京:大修館書店. [古英語・中英語・近代英語・現代英語の各時代区分で章分けし、図表を豊富に用いて当時の言語状況を解説しています]
橋本功. 2005. 『英語史入門』 東京:慶應義塾大学出版会. [類書にない特色として、「英語のアルファベットと書体」「聖書の英語」の章が設けられています]
堀田隆一. 2011. 『英語史で解きほぐす英語の誤解 納得して英語を学ぶために』 八王子:中央大学出版部. [詳しくはこちら]
堀田隆一. 2016. 『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』 東京:研究社. [詳しくはこちら]
松浪有編. 1995. 『英語の歴史』(テイクオフ英語学シリーズ 1)東京:大修館書店. [古英語・中英語・近代英語・アメリカ英語・世界の英語の各章をそれぞれ別の執筆者が担当しています]
安井稔・久保田正人. 2014. 『知っておきたい英語の歴史』 東京:開拓社. [詳しくはこちら]
入門:古英語
市河三喜・松浪有. 1986. 『古英語・中英語初歩』 東京:研究社出版. [和書の中では最も古典的かつ標準的な古英語・中英語の教科書です]
近藤健二・藤原保明. 1993. 『古英語の初歩』(英語学入門講座 第4 巻)東京:英潮社. [文法編(古英語の発音・語形・統語・韻律など)と読本編(散文5 篇、詩10 篇)の二部構成となっています]
入門:中英語
水鳥喜喬・米倉綽. 1997. 『中英語の初歩』(英語学入門講座 第5 巻)東京:英潮社. [解説編(中英語の発音・語形・統語・語彙・韻律など)とテキスト編(初期中英語から後期中英語まで12 篇)の二部構成となっています]
入門:近代英語
小野捷・伊藤弘之. 1993. 『近代英語の発達』(英語学入門講座 第6 巻)東京:英潮社. [近代英語の歴史的発達を発音と綴り字の変化、語形と統語法、語彙と表現の3 方面から辿っています。統語法の記述が特に詳しく、入門書としてはややレベルが高いと言えます]
標準:通史
宇賀治正朋. 2002. 『英語史』(現代の英語学シリーズ 8)東京:開拓社. [前半は英語の起源と外面史、後半は借用語、文字と音声、形態論、統語論といった内面史の二部構成で、特に統語論の記述が充実しています]
小野捷. 1980. 『英語史概説』 東京:成美堂. [今ではかなり古いですが、外面史・内面史ともに中身の詰まった高度な記述となっています]
中尾俊夫. 1979. 『英語発達史』 東京:篠崎書林. [第一部で外面史と借入語・意味変化・語形成を、第二部で音韻論・方言・語形論・統語論・韻律論を詳しく解説しています]
中島文雄. 2005. 『英語発達史 改訂版』(復刻版) 東京:岩波書店. [復刻版が出るまでは長い間絶版だった本書ですが、英語史を専門的に学ぶ人には必携の一冊で、「英語の歴史とその背景」「語彙の増大」「発音の変化」「屈折の消失」「統語法の発達」について密度の濃い解説がされています]
標準:古英語
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標準:中英語
宮部菊男編. 1974. 『中英語テキスト』 東京:研究社. [中英語期の代表的な散文作品のアンソロジー(本文は英語)ですが、Introduction で中英語の詳しい文法的解説が行われています]
標準:近代英語
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専門:通史
寺澤芳雄・川崎潔編. 1993. 『英語史総合年表 ―英語史・英語学史・英米文学史・外面史―』 東京:研究社. [英語の通時的な発達史だけでなく、特定の事象と同時期の外面史(世界史・日本史)・英語学史・英米文学史も把握できます]
専門:古英語
小野茂・中尾俊夫. 1980. 『英語史 I 』(英語学大系 8)東京:大修館書店. [古英語の綴り・音韻・方言・形態・統語・語彙・韻律・文体などについて、過去の研究成果を取り入れながら体系的に論じた大著]
専門:中英語
中尾俊夫. 1972. 『英語史 II 』(英語学大系 9)東京:大修館書店. [中英語の綴り・音韻・方言・形態・統語・語彙・韻律・文体などについて、過去の研究成果を取り入れながら体系的に論じた大著]
専門:近代英語
荒木一雄・宇賀治正朋. 1984. 『英語史 IIIA 』(英語学大系 10)東京:大修館書店. [近代英語の音韻・形態・語彙・統語について、過去の研究成果を取り入れながら体系的に論じた大著]
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