解説
DX地区踏査は、地域診断における「現地調査(地区踏査)」に堀池が開発した地区踏査専用Webアプリを活用して位置情報を記録する新しい手法です
そもそも地区踏査はこれまでの①要約の裏付け ②推論の検証 ③現地でしか得られない情報の入手 を目的とします
歩いた経路や観察した地点を正確に記録し、QGISなどの地理情報システム上で人口分布や資源配置と重ねて分析できるため、五感で感じた情報を地域の事業化や施策化に活かすことが可能になります。
歩いた経路や発見をアプリで記録
QGISに取り込み、地図上で「どこで何を見たか」を可視化できます。
地域診断の精度が向上
→記録された地点と写真・メモを組み合わせ、事後分析や他者との共有が容易に。
地域の「リアルな姿」に近づく
人びとの暮らしが行われている「場」を五感で感じることができる重要な機会です。
実際の活用例
右図は奈良県立医科大学での地域診断演習の成果で、オレンジ色の線が歩いた経路、ピンが発見地点を示しています。
GPXファイルを地理院タイル(全国最新写真)とQGISで重ねて表示
調査前には、以下の点を整理しておきましょう。
目的を明確にする
何のために、どこで、何を観察・収集・対話したいのか
五感を意識する
「見る」「聞く」「触れる」「食べる」「嗅ぐ」など、感じる視点を大切に
時間帯と人の行動を考慮する
通勤、子どもの遊び、夕方の買い物など、時間による地域の表情の変化を意識。
QGISの活用
事前に人口分布や空中写真を見たアセスメントの推論から、訪問エリアや目的地点を設定しておくと効率的。
12システムの視点を活用
G-CHAMで提唱される12の地域システムを踏まえた視点で計画を立てると、網羅的な診断が可能。
移動計画と休憩場所も重要
交通機関の時刻、昼食・おやつスポットなども事前に調べておきましょう。
現地では以下を意識して歩きましょう。
先入観を捨てて「なぜ?」の視点を持つ
街の構造や人の動きには必ず理由がある
路地や小道は発見の宝庫
大通りや観光名所ではなく生活圏に入るため、直進できる交差点は原則2つまで
地元の喫茶店やスーパーは生活文化の縮図
商品配置、値段、客層、かごの中身、売れ筋商品などに注目(主観的な多いではなく比較は数値で記録)
道端の資料やパンフレットも有効な情報源
スマホで簡易な計測も可能
横断歩道の信号時間、傾斜、音、人数など
写真記録は後の分析に役立つ
ピンマークと組み合わせて整理
インタビュー時の配慮
学生であること、調査目的を丁寧に伝えることで住民の協力を得やすくなります
・テーマ:DX地区踏査での情報収集項目をできるだけ多く出す
・以下のGoogle Formにアクセスし、サイレントブレインストーミングを実施
チームを半分に分けて情報収集項目を共有(メンバーが4人以下の場合はスキップ) 目安時間2分
チーム全体で情報収集項目を共有 目安時間2分
熱中症又は寒冷対策、歩きやすい靴、スマホ、モバイルバッテリー(あれば)
堀池が開発したWebアプリ Find Lng/Lat を使用します
※通信料は個人負担です。アプリダウンロード及びDX地区踏査による事故等が発生しても責任は負いかねますのでご了承の上、実施してください。
以下のURLからアクセスしてください https://gisphn.github.io/Find_LngLat/
Find_Lng/Latの操作説明動画を確認してください https://www.youtube.com/watch?v=5uF7gHQ8AEQ
スマホの画面自動ロックを解除して、常に画面が表示されるようにする(画面ロックすると軌跡記録がストップするため)
時間を決めて動画のとおり実施する。コメントは1のみ入力でよい。タグは必ず選択する。
終了後はGPXファイルを出力しておく。
QGISを開き、GPXファイルをレイヤパネルにドラッグアンドドロップ
アイテムの中から( )内の数字が0以外のアイテムをctrlキーを押しながらクリック→レイヤを追加をクリック
以下の3レイヤが追加される
track_points:移動のポイントを示すログ。1m移動するごとに、緯度経度と標高と時刻が格納されている。
tracks:移動のラインを示すログ。開始地点と終了地点を結ぶ移動の軌跡。
waypoints:ピンマークで入力した内容。標高、時刻、1行目の内容(name)、2行目の内容(desc)が格納されている。
※追加されずパソコンがフリーズする場合は、tracksとwaypointsのみを追加してください。
スタイル設定のオススメ
tracksとwaypointsを利用。
tracksは見やすい色で線を太くしましょう。
waypointsのdescで塗り分けてシステムごとの分布を可視化する(マーカーを変えてもよい)。
waypointsを右クリック→地物の数を表示をクリックするとシステムごとの数が表示される。
ラベルでnameを表示すると入力した観察内容が可視化されてわかりやすい。
waypointsを右クリック→地物の数を表示をクリックするとシステムごとの数が表示される。
1チーム4分。内訳はLT2分、QA1分、入れ替わり1分。
LTはDX地区踏査の報告について、QGISでtracksとwaypointsを表示しながら実施。
養成機関での演習等で実施の場合は、「敬語禁止」です。ランチタイムの会話のように日常会話でQAしましょう。
質問は素朴な疑問でOK。少しでも「なんでだろう?このデータは?こういう解釈もあり?」と思った内容で十分!
質問はキャッチボール。発表者から回答がもらえたらそのまま更に1歩踏み込んだ質問をしてみよう。
他チームのLTを見て、新たな不足や比較を発見した場合は「不足,比較確認シート」に入力する。
G-CHAMテンプレートに地区踏査計画を作成する
webページ上部の解説と練習の結果を参考にする
これまで分析してきた各システムに追加しましょう。出典を「DX地区踏査」としてください。
QGISやGPXはあくまでも「ツール」です。
現地で感じたこと、発見したこと、考えたことを思い出しながらこれまでのデータと合わせて分析しましょう。
上記を推論し、健康にどのように影響するか考えて統合するとよい。
写真を追加するのもよい(写真をPC画面で表示しスクショをスライドに貼るとデータ容量が軽くてgood)
各システムのスライド枚数を増やしてもok
1チーム4分。内訳はLT2分、QA1分、入れ替わり1分。
LTは「DX地区踏査をアセスメント,分析へ統合した結果」について
養成機関での演習等で実施の場合は、「敬語禁止」です。ランチタイムの会話のように日常会話でQAしましょう。
質問は素朴な疑問でOK。少しでも「なんでだろう?このデータは?こういう解釈もあり?」と思った内容で十分!
質問はキャッチボール。発表者から回答がもらえたらそのまま更に1歩踏み込んだ質問をしてみよう。
他チームのLTを見て、新たな不足や比較を発見した場合は「不足,比較確認シート」に入力する。
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