第7回
女が集まって読書会を作るということ

森まゆみ『「青鞜」の冒険 - 女が集まって雑誌をつくるということ』(集英社 、2017年)

明治44年9月1日。女性による女性のための雑誌を「青踏」と命名し発刊した人達がいた。当時は女性が個として公に発言すること自体が珍しく思われる時代。世間体を気にせず自分を貫く「平塚らいてう」を中心に作られた雑誌の軌跡と当時の人間関係や情景が本書ではリアルに描写されている。
東京都の谷中・根津・千駄木という同じ舞台で、筆者(森まゆみ)もまた地域誌『谷根千』を発刊していた。『青踏』に想いを寄せ自らに重ねて語る文章は読みやすく、エッセイのようである。
本書では、雑誌を作るという「新しい活動」が編集者や読者へ与えた影響力に着目したい。特に「青鞜」においては、見えない圧力に隠れ過ごす人々へのエールとなったのではないかと思われる。
女が集まって雑誌を作るということ。本書を読み合わせた際、本ホームページが作られたことに重ねタイトルとした。読書会で得た気付きを共有することで、現代社会や自己を見つめる機会としたい。(文責:PYALA)

オリジナルサブタイトル
※読書会のまとめとして、自分なりのサブタイトルを各自で考えて発表しています

「ペンは剣よりも強し、紙よりも弱し?」(Kimiko)
「雑誌『谷根千』と”新しい女”たち」(azusachka)