第13回
信念に忠実であったもう一人の「人権宣言」起草者

オリヴィエ・ブラン『オランプ・ドゥ・グージュ―フランス革命と女性の権利宣言』(信山社 、2010年)

前回の読書会で取り上げたメアリ・ウルストンクラフトに続き、同時代にフランスで活躍したオランプ・ドゥ・グージュの生涯に関する本書を選びました。

本書はフランス革命前後の歴史にある程度精通していないと読み進めるのが難しいですが、「思想および意見の自由な伝達は、女性の最も貴重な権利の一つである」と主張したグージュのマルチな活動が詳述されています。

劇作家のグージュは、作品を通じて奴隷制を批判し、さらに女性が人権宣言に含まれていないと意義申し立てをし、「女性および女性市民の権利宣言」を発表しました。さらに、当時のジェンダー規範を逸脱することに物怖じせず、ルイ16世の処刑に異を唱えるなど政治的意見を表明していたため、反対派から警戒され、最後には処刑されました。

参加者からは、グージュがもう少し後に生まれていれば、処刑されることにはならなかったのに、残念だ!という意見が多くあがりました。(文責:berner)

オリジナルサブタイトル

※読書会のまとめとして、自分なりのサブタイトルを各自で考えて発表しています。
 詳しくは
こちらをご覧ください。

「恐怖に挫けず挑戦し続けた女性」(midori)
「隷属からの自由を求めて」(アントニン)
「ジャコバン独裁と闘った劇作家」(azusachka)