第3回
自分ごととしての参政権運動

中村久司『サフラジェット - 英国女性参政権運動の肖像とシルビア・パンクハースト』(大月書店 、2017年)

映画「未来を花束にして」はご存じだろうか。原題は「Suffragettes(サフラジェット)」。参政権(Suffrage)を求める女性たちの活動を描いた作品である。高校までの歴史教育で「参政権」が段階的に広まったことは学習する。しかし、本書を読んで、その権利を獲得するべく戦った女性について、自分が無知であったことを学んだ。19世紀末から20世紀初のイギリスで、参政権獲得のために戦った人々は、決して、特別な存在ではなかった。警官の暴行を受けて血を流し、拷問に耐え、時には街中で爆発を起こした『彼女たち』が、そうまでして戦ったのは、机上の『理想』のためではなく、自らの人生や愛する家族や友人の平穏な暮らしのためだった。彼女たち一人一人の人生に注目する本書を読んだことで、私はとても勇気付けられた。そして、いま『当たり前』にある権利を守り、自分たちの生活を豊かにするためには、私たちも恐れず、弛まず、戦い続けていかねばならないのだと感じた。(文責:はりねずみ)

オリジナルサブタイトル
※読書会のまとめとして、自分なりのサブタイトルを各自で考えて発表しています

「これが100年前の戦う女性のリアルだ!」(はりねずみ)
「絶対に諦めない」(midori)
「なぜサフラジストではなくサフラジェットなのか」(PYALA)
「20世紀初頭のイギリス女性のデモと現代女性へのエンパワーメント」(azusachka)