3ds MaxのBipedの機能には、足跡モード(Footstep Mode)があります。
足跡モードを使用すると、キャラクターの移動経路を簡単に作成し、自動的に足の動きを生成することができます。
例えば、歩幅、歩行速度、足の角度、足の高さなどを調整することができます。
(今回は既にアニメーションがついているものから足跡を抽出するやり方なので、歩行速度や、足跡を追加などの調整はできなさそうです…)
右の例では
[S:\conan26\3D_models\BACU_MOB_Sys\02_motion\01_max\run_A\05_Mmale]
・MmobM_01.max
を使用していますが、歩きやその他のモーションでも同じ手順で調整が可能になります。
既にベイクしたモーションは以下に置いてあります
S:\_3Dmodel\01_character\Mb01_common\CM27\02_motion\01_max\_bakeMotion
現時点(2023/12/12)ではバック持ちの歩きモーションのみ用意しています。
上記のように足跡モードを用いるためにはいくつかの手順が必要になります。
次の手順のとおり説明していきます。
1.既にあるbipedアニメーションをベイクする([Biped Helper]というスクリプトを使用します)
※大量のモブをベイクしようとしている場合はこのスクリプトだと1キャラ毎になってしまうので時間が多く取られてしまうかと思います。
他の良いスクリプト等あればやり方の更新をいただければ助かります…。
1.いくつかのモブは既にベイクしたモデルを用意しましたのでそちらを使用してください
2.[足跡の変換]か[足跡の抽出]を行い、足跡ツールを使用できるようにする。
3.足跡ツールを使い、進行方向の調整を行う。
4.[フリーフォームに変換]を行い、作業完了となります。
現在のコナンのモーションはその場歩きのモーションに対してポイントを親子付けし、そのポイントを動かすことで前に移動をしていますが
足跡ツールを使用するにはポイントの移動をBipedのルートに対してベイクしてやる必要があります。(足や手をIKで制御している場合はそちらも同時にベイクを行います)
上記のベイクを行う際に[Biped Helper]というスクリプトを使用します。[ダウンロードページ]
↑それぞれヘルプページとダウンロードページに飛びます、
他にも色々と機能がありそうなので覗いてもいいかもしれません
mzp形式なので、ダウンロードしたファイルをそのまま3dsmaxへドラッグアンドドロップをするとスクリプトが起動し手順に従えばスクリプトのインストールが完了するかと思います。
(上手くいかない場合はスクリプトタブから[スクリプトを起動]でスクリプト読み込んでください)
正しくインストールが完了していればカスタマイズタブの[ユーザーインターフェースをカスタマイズ]にBiped Helperがあることを確認し、ツールバーに追加してください。
※[LBTools_Guide_Image.bmp]が見つからないというエラーが出るかと思いますが動作に影響ないので無視しても 大丈夫です。(Aboutロールアウトのヘルプページに飛ぶ用の画像です)
気になる方は対象の場所に[LBTools_Guide_Image.bmp]という名前の画像を用意してやることでエラーは出なくなります。
Biped Helperを使用してアニメーションをベイクする流れは以下のとおりです。(右図の番号参照)
1.ベイクしたいBipedを選択します
2.ベイクしたい箇所(Rootや手足)を選択します。基本的にはBoth(両方)を選択します
3.[Bake Animation Keys]を選択すると、ベイクが始まります。(数分かかるかと思います)
これで手足とRootのアニメーションがベイクされているかと思います。
こちらのベイクを行った後はBipedルートについている親子付けがすべて外れるので
配置など調整する場合は親にある[*_cnt_all]を再度bipedルートと親子付けしたほうが配置しやすいと思います。
Bipedアニメーションのベイクが終わったら、次は[足跡の変換]か[足跡の抽出]を行います。
基本的には[足跡の変換]を試してから上手くいかなければ[足跡の抽出]を行うといった流れになるかと思います。
Bpedを選択したら、モーションパネルから[足跡の変換]ボタンを押し適用し、足跡が表示されるか確認します。
この時に足跡が表示されない、もしくは足跡ツールが押せない場合は下記の[足跡の抽出]を行います。
足跡の抽出を行うには、現在のモーションをbipファイルに保存し、モーションキャプチャのタブから読み込みを行います。
オブションから「足跡の抽出」をオンにしてやると、足跡の抽出ができます。
(うまく抽出されない場合は「抽出の許容パラメータ」を上げることでうまくいく場合があります)
これで足跡の抽出ができたので実際に進行方向を調整してみましょう。
まずは、足跡モードに移行します。
この状態になると、現在表示されている足跡を選択できるようになります。
いくつかの範囲を選択し、足跡操作からベンドやスケールをかけてみましょう。
かけすぎたり、不自然な足跡になると足の運びが上手くいかずにめり込みなどが
発生する場合もあるので、適度にかけてやると良いかもしれません。
坂道に沿ってモブを歩かせようとした場合は足跡モードから足跡をすべて選択し、
角度を変更しましょう。
(坂道モブの落影は車と同様の出し方になるので同時にPlaneを用意し同じ角度になるように置いておいたほうが楽かと思います)
角度をつけすぎると、ベンドやスケール同様に不自然なモーションになってしまいますので、適宜調整して頂ければと思います。
モーションが不自然になってしまった際の調整方法としては、
足跡の角度を緩め、親子付けされているポイントの角度、もしくは移動を用いてやると良いかと思います。
モーションを確認すると、大きくベンドをかけている箇所は右図のようにつま先が歪んでいることがわかります。
こちらは先程の[足跡を変換]ボタンの箇所が[フリーフォームに変換]になっているのでそちらを適用すれば改善されます。
この他はめり込み等を確認し、問題がなければ作業は完了となります。
(スカートやカバンなどを背負っているモブはめり込みの可能性が多いので注視したほうが良いかもです。)
以上、足跡ツールを使ったモブアニメーションの進行方向の調整でした。お疲れ様でした。