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このワークフローではハイポリゴンなモデルのデータ量を減らし軽く運用するためポリゴンを減らす作業を行います。
全体内容としてはBlenderの
モディファイアで半分近くポリゴンを減らし、
3dsMaxで詳細なリダクションを行う手順を記載しています。
このフローではBlenderで大まかなリダクション作業を行います。
この作業を行うことで、後に3ds Maxで詳細なリダクションを行う際、元データの約半分のポリゴン数で作業を開始できます。
3dsMax・Blender間ではfbxファイルでやり取りを行うため、元データがMaxデータの場合、fbxデータを作成する必要があります。
※以下の方法に関しては決まりではないので作業者が取り扱いやすいように変えていただいて問題ありません。
fbxデータはレイヤー情報を保持出来ないため、レイヤー毎にfbxデータを作成して処理を行います。
作業開始時は元データを作業場所にコピー/リネームしてから作業して下さい。
【 例)(元データ).max コピー ➡ (モデル名)_redcu.max 】
①MAXで大まかにレイヤー階層を分けておく。
②オブジェクトにグループがかかっている場合は全て解除する。
③オブジェクトの基点をそれぞれの中心に来るようにする。
※レイヤー分けの基準
・BlenderからMAXに戻す際にレイヤー構造を維持したいもの
・ポリゴン数が元から少なく、Blenderでの処理を通さずに作業できるもの(半減させると破綻してしまうもの)
※最終的なレイヤー構造は別途リリース用の仕様書に合わせるため
リダクション作業時に作業者が分かるようになっていれば問題ありません。
〈 親レイヤー階層例 (車の場合) 〉
①オブジェクトを全て【編集可能ポリゴン】にする。
・全てのオジェクトを選択して右クリック➡【変換】から
【編集可能ポリゴン】に変換を選択。
②レイヤーをダブルクリックして【書き出し】から
【選択を書き出し】を選択
③拡張子をfbxにしてレイヤー名が判別できるように保存。
【右記ディレクトリ階層例を参考】
出力設定ウインドウが表示されますので
●【含める】の【ジオメトリ】タブを開き
・ターボスムーズのチェックを外す
・スムージンググループのチェックを入れる
●【拡張オプション】の【単位】タブを開き
・単位を自動のチェックを外す
●【拡張オプション】の【軸変換】タブを開き
・軸がY軸になっていることを確認する。
※【編集可能メッシュ】の状態で書き出しを行うとポリゴンが全て
三角面化されてしまいBlenderでのリダクションが正常にできません。
◆この手順は前項で出力したfbxファイルの数だけ行います。◆
①Blenderを開き【ファイル】から【インポート】を選択し、
前項目で準備したfbxファイルを読み込む。
②ひとつオブジェクトを選択し、右記の順でモディファイアを追加する。
③モディファイアを追加したオブジェクトを選択し【A】キーで全オブジェクトを選択する。
※モディファイアを追加したオブジェクトがアクティブ状態になっていることが重要。
※アクティブ状態=黄色、選択状態=オレンジ
④【Ctrl+L】を押し【データのリンク/転送】の【モディファイアをコピー】を選択し
アクティブなオブジェクトからモディファイアが選択全てにコピーする。
※【データのリンク/転送】は画面左上の【オブジェクト】ボタンからでも選択可能です。
※下記にリダクションの比較と誤った例の参考画像を載せています。
⑤下記の例のように破綻などが発生するオブジェクトに関してはデシメートを削除して下さい。
※【分割の復元】=ターボスムースと逆の挙動。
※【反復】=分割の復元作業を実行する回数。
2回の反復は3dsMaxでいう1回分のターボスムースと同じなので
通常は偶数を使用する必要があります。
★別オブジェクトに同じモディファイアを追加している場合、
まとめて設定を変更することが可能です。
対象のオブジェクトを全て選択し【Alt】キーを押しながら
変更を行うと選択全てに反映される。
異なる数値・内容の場合、選択間でバラつきが起こる
可能性があります。
例)リダクション前
例)リダクション後
✖必要なポリゴン数に満たない
ので良くない
例)リダクション前
例)リダクション後
✖必要なポリゴンが削除され
破綻しているので良くない
例)リダクション前
例)リダクション後
✖必要なポリゴンが削除され
破綻しているので良くない
◆この手順は前項で作業しているfbxファイルの数だけ行います。◆
①一度バックアップ用にBlenderファイルを保存する。
【右記ディレクトリ階層例を参考】
②【ファイル】から【エクスポート】で拡張子をfbxにして保存。
【右記ディレクトリ階層例を参考】
右の方に出力設定がありますがそのまま書き出して下さい。
①作成したMaxファイルを複製してリネームして開く。
【 例)(モデル名)_redcu.max コピー ➡ (本作業:モデル名).max 】
②それぞれのレイヤーを残してオブジェクト全て削除しファイル名と同名のレイヤーを
アクティブにしてBlenderでエクスポートしたfbxファイルを【ファイル】から【合成】で読み込む。※全てのファイルにして開く。
FBXインポートの設定画面が表示されるので、
●【含める】の【ジオメトリ】タブを開き、スムージンググループのチェックを入れる。
①リダクションを行うためにオブジェクトにモディファイアを追加していく(右記参考)
・【ポリゴン編集】を追加する。
※表示非表示をすることで、形状確認・ポリゴンの減り具合等が確認できます。
・【シンメトリ】を追加する。
※左右対称のパーツがある場合に使用。
・【ターボスムーズ】を追加する。
※リダクション前の形状=リダクションを行いターボスムーズをかけた形状
②リダクションを行う。
※リダクションは形状を維持しながらポリゴン数を減らして行きます。
★リダクション前と後の確認
・【修正パネル】の【最終結果を表示】(右記画像下部のアクティブになっているボタン)の切り替えで
モディファイアの追加前と追加後の変更点を確認できます。
〈 モディファイア リスト例 〉
【 エッジの処理について 】
●どれだけポリゴンを減らしたら良いのか?
・モデルによって異なりますが、おおよそBlenderで減らしたポリゴン数から更に4~5割程減ると良いです。
●角のエッジの使い方
・以下の画像例を参照ください。
例1)1本の辺でできている角。➡
(Isoライン=ON)
例1)1本の角でターボスムーズ。
※荒くて緩やかな角になる
例2)2本の辺でできている角。➡
(Isoライン=ON)
例2)2本の角でターボスムーズ。
※細かくて急な角になる
例3)1本の辺でできている角。➡
例3)1本の角でターボスムーズ。
※スムージンググループを分けて
角が立っている状態。
●全体的なエッジの流れについて
・以下の画像例を参考ください。
◯・ポリゴンがおおよそ適切な密度になっている。
・ポリゴンの流れがガタガタしていない。
✖・密度がまばら。
・変形している。
・欠損している。
・多角形ポリゴンがある。
●穴が開いているエッジの使い方&三角面を使用する際の注意
・以下の画像例を参照ください。
穴を開けた際、周囲のポリゴンは短い
距離で逃がすと良いです。
(Isoライン=ON)
長い距離で不自然に逃がしてしまうと周囲が変形して汚くなってしまう。
(Isoライン=ON)
このように三角面の頂点が角を 形成するポリゴンとつながると 頂点が立って歪んでしまう。
このようにエッジを綺麗にしておくと綺麗にまっすぐ流れる。
【 オブジェクト関連について 】
●デタッチ(別々なものに)するパーツについて
・ポリゴンが見えなくてリダクションしにくい、別要素にしたいパーツ等
★方法:対象のポリゴンを選択してリボンの【モデリング】から【ジオメトリ】にある【デタッチ】を選択。
●アタッチ(一体なものに)するパーツについて
・一体のオブジェクトでも弊害が無いもの。同じ質感、同じ部類のパーツ等、個々で動かないもの等。
★方法:対象のポリゴンを選択してリボンの【モデリング】から【ジオメトリ】にある【アタッチ】を選択。
●不要なパーツの扱いについて
・不要なパーツなどは物によっては削除しましょう。
例)入り込んで通常は見えないライトの内部部品、車のロゴやエンブレム等
●形状を省略するパーツについて
・見えにくいパーツなどは物によって省略(不明な場合はディレクターへ相談)
例)ダクトの奥にあるパーツの細かいディテール、極小なパーツの凹凸等
●オブジェクトのグループ化・解除方法
★方法:グループ化・解除共に含まれる複数のオブジェクトを選択し、
メニューバーの【グループ】から【グループ】or【グループ解除】で可能。
【 その他 】
●タイヤの取り扱いについて
・モブ車の場合はディテールが無いものを使用しますが、
キャラ車やスペアタイヤなど、停止時によく見えるタイヤはディテールのあるものを使用します。
●3dsMaxでの作業中にBlenderで発生したポリゴンの破綻が見つかった場合
・対象のパーツのみにフロー内の【Blenderでのリダクション作業】を行う
●ターボスムーズをかけたオブジェクトはわかるようにしましょう。
・オブジェクトが多くある場合、作業中にどのオブジェクトにかけたか
わからなくなる危険性があるのでレイヤーを分けたり選択セットを使用すると後々確認しやすいです。
●参考モデルについて
・サーバー上に実際に過去弾で使用されたモデルが多くあるので色々参考として下さい。
このフローではMAXの操作関係など、触れられていない部分もありますので、
不明点はプロジェクトメンバーもしくはリダクション経験者にご相談くださいませ。