基本的に構図はコンテで決まっているので、その意図から外れないようにLOを決めていく必要があります。
コンテはラフで描かれていることが多いので、全てをピッタリ合わせてLOを決めることは難しいため、
何が重要かを判断し調整して下さい。
基本的な構図の考え方は一般的なものと同じなので理解できているとよいかと思います。
(この手の話は調べると色々あります)
コナンのCGモデルは全て実物の大きさを基本に作られています。
LOを決める際はまず、実際の位置関係や大きさに合わせてキャラ・ガイドモデル等を配置して作業して下さい。
そのうえで、合わない部分を微調整するためにずらしたり、大きさを変えて調整することは問題ありません。
コンテに合わせるために最初から位置関係を無視した状態で無理やり合わせるような作業の仕方は、フレーム調整などのリテイク対応が難しくなる場合が多いです。
そのような方法でしかコンテに合わせられないような場合は、チェック前に一度問題ないか確認してから作業を進めるようお願いします。
〇カメラの考え方(目安mm数)
レンズのmm数はガイドを提出する際に合わせて記載します。
標準カメラのストックレンズにあるmm数かキリのいい数字(5mm刻み)を目安に作業して下さい。
(フレーム変更によるオーバースキャン時のレンズmm変更は除く)超広角(20mm以下)
パース感は強くなりますが、歪みが大きくなり違和感の方が大きくなるため、
基本的に演出意図に合う場合のみ使うようにして下さい。
例)魚眼レンズ風の処理を加えるような場合
広角(20~35mm前後)
パース感が強くなるので迫力を出したい時や、空間を広く見せたい時などに効果的です。
反面、キャラなどが近い場合は、キャラの顔などが歪んでしまうので避けることが多いです。
標準(50mm前後)
まずは標準レンズで作業しコンテとの合わせ等を見つつ広角、望遠に調整して下さい。
望遠(85mm~135mm前後)
被写体に寄るときなどに効果的です。背景の情報が減ってしまう際は避ける場合もあります。
例)複数人の引きカットから一人のバストアップへの寄りなど
超望遠(200~300mm超)
超広角と同様に望遠レンズの効果を意図的に狙いたい場合のみ使うようにして下さい。
標準カメラ
フィジカルカメラ
3Dソフトの仕様上、普通に作業すると三点透視で作業することになります。
作画アニメの特有のことですが作画さんがLOを描く際は、一点透視・二点透視でLOを描くことも多くCGLOを作業するうえで、この点を踏まえる必要があります。
問題となるのはパースが大きく関わってくる直線的なものが多い場所、とりわけ室内空間などで起こります。
室外などでぱっと見でパースが分かりにくい場所については細かく考える必要はありません。
美術設定のラフになりますが一点透視で描かれています。
アイレベルと消失点から部屋の中を少し斜めの俯瞰から描いてあることが分かりますが、こちらの絵を3D上で再現しようとすると、三点透視になってしまいます。(参考用の仮モデルなので対比が違う点は了承下さい。)
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このような場合はMAX上のカメラを調整し、「三点透視→一点透視or二点透視」に変更する必要があります。
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やりすぎると歪みの方が目立ちますので、何点透視で作業するかはコンテ等から読み取って作業進めて下さい。
参考一覧
標準カメラとフィジカルカメラでは調整方法が違います。
パースの修正の話だけで言うとフィジカルカメラの方が調整は楽だと思います。
通常の作業では標準カメラの方を使うことが多いので適宜使い分けられるのが良いかと思います。
〇標準カメラ
横方向のパース調整
カメラを選択しモデファイアリストから「スキュー」を適用
量と方向を調整しパースを調整して下さい。(必要があれば軸も)
縦方向のパース調整
カメラを右クリック→カメラ補正(あおり補正)モデファイアを適用
「予測」を押すと補正値を入れてくれますが、その後角度を調整しても自動で調整してくれる訳ではないので、都度予測ボタンを押して量を調整して下さい。
↑モデファイアの順番はこちらがよさそうです。(検証が十分でないため逆にするとよい場合あれば、逆でも問題ありません。)
〇フィジカルカメラ
※初めに※
最初にシーン上にフィジカルカメラを配置すると「環境と効果」の「露出制御」から<フィジカルカメラ露出制御>を<露出制御なし>に変更して下さい。
レンダリングの際に色味が大きく変わってしまいます。
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フィジカルカメラは機能として搭載されていますので、パース制御のレンズシフトと傾斜の補正を調整することによりパースの調整が可能です。
〇標準とフィジカルの見え方を合わせる
標準カメラとフィジカルカメラのレンズのmm数を合わせても微妙に見え方が変わります。
作業途中にカメラを切り替える必要が出た際に見え方を同じにする必要がある場合は視野の度数を合わせて下さい。
(緑枠の数字を同じにする)
標準カメラ
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フィジカルカメラ