劇場コナン用の色指定に関する情報を記載します。
主にPencil+マテリアルを使用したアセットの運用上で必要となります。
セルルックにおけるモデルのカラー配置はTMSの色彩設計を経由して決定する必要があるため、
全モデルでフォーマットを統一した色指定画像を作成しPSD形式でデータの受け渡しを行います。
このデータは通常色だけでなく夕方や夜など色の変更が必要なシーンに応じて更新されます。
色指定画像の内部構成については、以下の画像を基に確認して下さい。
データ名は「(モデル名)_color.PSD」、「(モデル名)_color.png」とします。
ノーマル色として先方とデータを共有後、夕景色や夜色などカット作業で必要となる色を色彩設定側で作成したものを貰う形になります。
上記データについて、既存のものはTMS側で既に保管してあるため再度提出は行いません。
新規モデルの色指定データに関してはモデルデータのOKが取れ次第、随時準備を行います。
例としてモブ車両で説明を行いましたが、モブ人や作品毎に発生するセルルックのモデルすべてにおいて使用します。
3Dモデル上での運用時は、上記をPSD形式で作成したのちサイズを縮小したPNG画像形式にして使用します。
※色彩設定とのやりとりはPSD形式で行います。
色指定画像の作成を進めるための手順、作成作業を行う際の注意事項などを記載します。
基本的にはマテリアル構成に応じて必要な色数が変わってきますので、
モデル準備がある程度進んだ段階でモデリング作業と合わせて作成していく必要があります。
↑ マルチサブマテリアルの参考
※完成モデルから引用しているためPencilで割り当てていますが
この時点では何でも構いません。
マテリアルIDの割り当て操作場所→
※マルチサブのIDを「IDを設定」に入れると
選択したポリゴンに割り当てられます。
コナン用のアセットは標準としてマルチサブオブジェクト マテリアルを使用して
1つのオブジェクト内で複数のマテリアルを管理しています。
初めの工程では以下の手順を行います。
・必要な色毎にマルチサブにマテリアルIDを追加
・色分けが分かるようにサブマテリアルに適当なマテリアルを割り当て
・各ポリゴンのマテリアルIDをマルチサブに合わせて割り当て
・マルチサブに適当な名前を記載
後の工程でマルチサブ以降のサブマテリアルは基本的に入れ替えを行うため、
現時点でのマテリアルタイプは問いません。
モブ人やモブ車など、基本的な構造が類似しているマテリアルを作成する場合は、
新規で起こすよりもマテリアルを引用してから調整した方が早い場合があります。
・「マテリアルエディタ」からマテリアル/マップブラウザの左にある▽をクリック
・「マテリアルライブラリを開く...」を選択
・ファイルの種類を .mat から .max に変更して、引用したいモデルデータを選択
マテリアルが保有している色指定画像のパスも引き継がれるので、
以降は引用したモデルの色指定画像を複製してパスを繋ぎなおしてから作業を続けます。
▶カラーチャートグループの「カラー」レイヤーに
色を置くよう確認をお願いします。
▶塗りつぶしツールで以下の設定にすると
枠線の内部のみに色配置ができます。
許容値:0 ☐アンチエイリアス ☑隣接 ☑すべてのレイヤー
色指定用テンプレートPSDを使用して必要な色数に合わせてカラーチャートを埋めます。
色みは仮でよいですが、色指定さんの方では作品用の微調整しか行わないため、
ビビットな配色など不自然に目立つ配色は避けてなるべく実運用に近い色割りをお願いします。
(車の場合は、その型番で実際に販売しているカラーを基に配色しています。)
マルチサブオブジェクト上では同一色で複数IDを使用する場面もあるため、
マテリアルID数=カラーチャート数である必要はありません。
レンダリング素材は空の状態で問題ないので、色の準備ができた段階で色指定画像を一度保存してください。
-Tips-
整理の観点から色の配置順とマルチサブオブジェクトの関係性は
極力合わせた方が分かりやすく纏まると思います。
スクリプトを使用して、色指定画像のカラーチャートを基にマテリアルを生成します。
「色指定マテリアル作成ツール」を起動して下さい。
該当のPSDを指定して色指定マテリアル作成を押すと、シーン内にティーポットが生成されます。
全カラーチャートのマップを保有したマテリアルが割り当てられているので、
こちらで生成されたマテリアルを、手順1で作成したマルチサブにそれぞれ繋いで行きます。
※マテリアルの構成に関する詳細は「マテリアルの構成について」を確認しつつ
作業をお願いします。
※手順1でEXの項目から作業を進めている場合
▶既に形式が準拠できているため、基本的にこの操作は不要です。
▶必要なカラーチャートが引用時より増えている場合はマップが足りないかと思います。
その場合は上記手順でマップを取得するか、
既存のマップを基に複製したマップの座標を変更して各カラーチャート用にして下さい。
素材グループに配置するレンダリング画像を準備します。
アンチエイリアスを切った色指定画像専用の素材となるため、
レンダリング用の専用スクリプトを使用して出力します。
スクリプトの場所
スクリプトの使用方法についてはスクリプトページのBACUツールの項目で確認して下さい。
出力した素材の配置が完了した段階で保存して下さい。
保存後、以下のアクションを使用してレンダリング画像内にカラーチャートで指定した色以外が含まれていないかを確認します。
アクションの場所
maxデータ上では、色彩設計による色指定とマテリアル設定の連携がスムーズに移行できるよう
モデルのマテリアル、ラインのカラーを画像内のカラーチャートから参照する仕様にしています。
以下に色指定画像を用いたマテリアルの基本構造と仕様について記載します。
基本的にPencilマテリアルをベースとし、それぞれ以下の設定を行っています。
グラデーションカラーマップの二分化(※1)
各カラーマップへマップの割り当て(※2)
ハイライトが必要なマテリアルには「ハイライト」にも対応した色のマップを割り当てる
また、Pencil+マテリアルのハイライト設定は下記の値を基準に設定
鏡面反射レベル:100
光沢:40
シャープネス:100
回折効果:30
(値0の項目は割愛)
※鏡面反射は100にしなかった場合
ハイライトが薄くなり、色指定と同一の色が出なくなってしまいます。
透過が必要なマテリアルには「基本」に接続されている標準マテリアルで
不透明度の値を調整(例:車の窓ガラス→不透明度 90)
マテリアル設定の実作業時は新規で作成せず、既存の類似モデルからマテリアルを引用して
必要なマテリアル数、質感等に調整していくことをおすすめします。
色の階調を2つに設定し、それぞれをノーマル色・カゲ色として使用する。
各ゾーンの比率は特殊な質感の表現が必要な場合を除き以下を基準に設定。
ゾーン1=最小 0、最大 40
ゾーン2=最小 40、最大 100
各ゾーンの最大と最小の値に開きがあると、階調の境界にグラデーションが発生するため注意。
色指定画像から対象のパレット座標を指定したビットマップ画像をカラーマップに割り当てる。
色指定画像の各パレットに合わせたマップの作成手順については前述。