劇場コナンにおけるCG作業の視点からの撮影に納品するまでのワークフローになります。
※主に作業し初めの方に向けた情報のため、細かい部分や特殊なケースは省きます。「モデルワークフロー」に簡易フローをまとめていますので、そちらを確認して下さい。
初めに:下線が引かれている文字はカット表上の表記になります。
絵コンテからCG側でLOを決めて作業を進める工程
CGのアニメーションがメインのカットやCGのガイドモデルがある場合に多いです。
〇CGLOの場合
ガイドを出すだけの場合はCGLO(緑矢印)を納品し作業終了となります。(演出が必要な情報を描き足し他セクションの工程に進んでいきます。)
CGLOを提出した中でもCGアニメーションの要素がある場合は、その後の流れはカット作業②(黄色矢印)と基本的には同じになります。
〇CG先行の場合
CGLOを提出する必要がない場合はCG先行となります。
レイアウトからアニメーションの工程まで進み、CG側でアニメーションをつけチェックムービーを提出~OKが出た後、
必要に応じてBG・作画ガイド(橙色)を提出します。
その後は、ライティング調整やエフェクトを追加しレンダリング・コンポジット工程に進み本番仕様にして再度チェックムービーを提出
問題なければ納品となります。
絵コンテから原画がLOを決めて作業を進める工程
主にCG要素がメインではないキャラ同士の会話などのカットが多いです。
〇LO先行の場合
基本的にLOをもらえないと作業が進められません。
LOには必要なCG要素(モブの配置や動きの目安)が描かれているので参考※にしつつ作業を進めます。
※あくまで参考です。最終的な見え方は作業者で調整して下さい。LO先行であってもBGとの兼ね合い(建物系の設置物)によってはBGガイド(橙色)、
セルとの兼ね合い(車の乗降等)によっては作画ガイド(橙色)が必要になる場合があります。
CGLO(緑矢印)で提出したものについては主にCG要素(モブの配置や動きの目安)の参考が描かれた形で返ってきます。
カット作業を行うために脚本の段階から設定等をもらい作業進めていきます。
どのような使い方をするかによって作業工程は違います。
使用用途に合う形でモデリングやリギングを行いましょう。
質感については、
CGガイドとして使用する場合は、最終的には使いませんので仮色や単色等で簡単なもので済ませます。
セルルックとして使用する場合は、手書きのセルと色味を合わせるため色指定画像を提出し配色をお願いします。
美術と合わせる場合は美術ボートをもらい、合うようにテクスチャの作成または発注を行います。
全体作業工程の概要(CGLO作成で終わるパターンは除く)
線撮作業 (3DLOの作成)
LO素材をもらい各セルの切り分け ・3D_compo 上で線撮組み、3DLO ムービーを出力。
タイミングやレイアウトのベースになるため、タイムシートに合わせたキー打ちもお願いします。
また、2Dカメラワークについても通常の撮影で行うようなカメラのイーズ処理(タメツメ等)を付けるように心がけて下さい。
不自然なカメラワークによってモーションチェックにも影響がでる場合があります。
CG 作業
線撮作業で出力した 3DLO ムービーをバッググラウンドにして CG を配置、アニメーション作業。
作業が簡単なものについてはセカンダリ作業は行いませんので、ライティングなども含めこの段階で最終調整を行って下さい。
内容的に難しいもの(モーションが複雑、レンダリングに時間がかかる、テスト的な項目、内容に不明瞭な部分がある等)はプレビューチェックを行いますので
その旨を伝えたうえでチェックムービー提出の作業を行って下さい。
AE 処理作業
レンダリングした CG 素材に指定の処理をかけます。
カラーとラインを乗せるだけのような素材以外は全て処理参考のテンプレートがありますので、それをベースに各種処理を行って下さい。
(例:車の発光処理、タイヤのブラー等)
テンプレはあくまでベースなのでカット作業者が最終的な見え方を調整することが前提です。カット内容に合うように調整をお願いします。
→チェックムービー提出
BG ガイド、作画ガイド作成
監督チェック OK 後の作業になります。 背景 CG や作画に絡む CG 素材が発生した際は美術様、作画様にガイドデータをお渡しします。
提出したガイドについては、パースマップ等の3Dソフト内で再度作業が必要な素材以外(AEで素材差し替えすると終わるもの)は
基本的に本番素材はもらわずに納品し、撮影様に差し替えをお願しています。
そのため、作成したBG・作画ガイドのAE内での使われ方については、特定のコンポの中身を差し替えれば同じ見え方になるよう
構成を考えた上でガイドの作成をお願いします。
納品
収集した aep と最終テイクのチェックムービーを纏めて提出をお願いします。
また、納品作業時にご確認頂きたい事項を『撮入れについての仕様書』でまとめております。
※ 納品前に CG モデルの色変更等のため再レンダリング作業が発生する場合があります。
その際は、最終テイクと動きや位置などが変わらないようご注意下さい。
CGLO作成で終わるパターン
線撮作業 (コンテ撮)
コンテをベースにキャラの大まかな切り分けを行う。シート等はないので一旦コンテに書いてある尺で作成します。
カメラワークはイメージを掴むために一旦付けたほうがよいですが、
コンテのカメラワークの移動幅はあくまで参考程度にし、LOを決めつつ適宜変えても問題ないという認識で作業お願いします。
CG 作業
LOモデルを使いコンテのイメージを拾いつつ、LOを決めて下さい。
キャラはCGモブを使いなるべく実際の位置関係と破綻しないよう意識しつつ配置しカメラを調整して下さい。
LOによっては絶対に無理な構図等があるので必ずではありませんが、何を優先するべきかは考えたうえで調整お願いします。
キャラが動く場合はコンテの絵を参考にポーズ付けをお願いします。(その場での演技の場合は不要です。)
コンテにない場合でもIN、OUTやパースが大きく変化するような指示(手前に移動等)がある場合は目安の位置を入れて下さい。
キャラとBGは分けてレンダリングして下さい。できる範囲でbook用に素材を分けて描きだして下さい。
難しい場合はAEのマスク切りや上から色分け等でbookの分けが分かるように指定します。
AE 処理作業 (PS)
book分けとレイヤー構造が正しい状態になるように並べて下さい。
作画用のフレームを入れカメラワークがある場合はその向きやスタートエンドが分かるようにしたうえで
AEからphotoshop(PS)に書き出し必要な情報を入れて提出してください。(詳しい方法は別項目に)
カメラワークによってはイメージが難しく必要なサイズが判断できない場合などはチェックムービーとして作成しOKがでた後、
CGLOを提出する方法も可能です。
納品
CGLOで作業が終わる場合(モブや車といったCG要素がない場合)
PSデータを提出した時点で作業終了となります。
CGLOで作業が終わらない場合(モブや車といったCG要素がある場合)
一度演出様の方で必要な要素のタイミングやアタリだしを行います。
それらの情報が入ったLOが再度入ってくるので、それを元に↑の作業工程と同じ形で作業を進めて下さい。