この作品のコンセプトは「飢え」と「命のやり取り」を目指しました。
歩く度に「灯火」が減っていき、灯火が0になると絶望の状況に陥ります。その「飢え」を解消する為に灯火を集める為に敵を狩り、アイテムを集め燃やさなければなりません。生き抜く為にただ敵を避けて進めばいいのではなく、時に勇気を出して挑み狩り、その命の灯火を食らうようにしていかなければなりません。
「ここはどこなのだろう……。とても暗く、とても寒い……。」
雪山で目を覚ましたあなたの前に現れたのは、あなたのことを知っているらしい謎の白い修道女。彼女に導かれるままに、あなたは再び歩き出した。
暗闇と寒さに覆われた山を彷徨い生き抜き、脱出の方法を探す中であなたは自身と修道女についての真実を知ることになります。
この作品の大きなテーマのひとつとして「飢え」があります。私は自作品及び他者作品のプレイ及び実況を観察していて強く問題と感じていた課題のひとつが「敵とエンカウントした時にまず逃げるのが(時間やリソースのコストを鑑みて)最善」と判断されがちなことです。だったら最初からモンスターの配置しなければいいのでは……?とすら感じることもあります。
原因のひとつとしてはドラクエ1やウィザードリィのような古典的RPGにおいて、探索と戦闘は関係性が深い「リソース管理」の一部であり、プレイヤーに残りのHPや魔法の使用回数、アイテムなどの残数と相談しながら進むか戻るかの選択を迫るものでありました。しかし、そうした絶妙なゲームバランスを維持するのは難しく、そうした伝統を感じない作品が多いように感じています。そんな発想から今作においては「リソース管理」を意識した作品を作るきっかけになったのですが、まず自分の趣味嗜好や都合における前提条件として
①自分のタイミングで戦えるシンボルエンカウントにしたい。
②戦闘後体力とかアイテムで回復するの面倒くさい
③アイテムの整理機能の導入が面倒なのでアイテムの種類は少なくしたい
というのがあり、「HPなどの戦闘まわりのリソースは戦闘内のみで完結」しつつ、「プレイヤーから能動的に敵に突っ込んでいくように仕向ける必要」がありました。なので、「歩数残量」という無くなるとペナルティが発生する戦闘外リソースを設定し、敵を倒した時の報酬を「歩数」として与えることでインフレやすいアイテムや金銭以外の「飢え」と「満たし」を表現しました。
前作より引き続き「装備で戦闘開始時の状況が選べる」【先制システム】を導入し、また敵の行動アイコンからの立ち回りを考える戦闘になっています。それに加えて【精神値システム】を導入しました。
敵の「精神」を削り切ることで敵の防御力を完全に打ち消し、強力な一撃が入る仕様です。フロムゲーの「SEKIRO」や「ダークソウル」をかなり意識しており、互いの一撃が重く、敵の行動アイコンからの「読み」の戦略と駆け引きを重視した作りです。
「精神値」はすぐ回復されてしまうのと、攻撃行動中は「防御」コマンドを捨てる必要があることから、敵のシールドを剝がしても敵の一撃が怖くて攻めに転じることが出来なかったり思わぬ反撃を受けたりと「どこのターンでシールドを剝がすか」の駆け引きや「一人目のキャラでシールドを剝がし、二人目のキャラで特攻を繰り出す」などの連携がかなり重要な戦略になってきます。この駆け引きと大きなダメージが入った時の快感はゲームにおける「楽しい」と「やりがい」を引き出す要素であると考えていると同時に、ボスの戦闘でおきがちな「互いに固すぎて長時間ペチペチ殴り合う問題」を解決する要素として導入しました。その為、全体的に戦闘にかかる時間やターンは他のRPG作品より少なめになっています。
今作については「ダブルヒロイン」というコンセプトです。シナリオとして分岐が欲しかったのと、終盤まで同じキャラ構成だと戦闘攻略パターンが一定になってしまうので、戦闘システムの味変要素として途中でヒロインが一時的に交代する形になっています。
感想を見ている感じ、シスターさんが人気なようですね。でもヒペリカムさんも実は関連作でまだ出番あるので、彼女の魅力についても乞うご期待です。
シスター、ヒペリカムのイラストはTANBO様に描いて頂きました。主人公のラベンダーは音素11様より素材を使わせて頂きました。
ラベンダー
ラベンダーについて
正体不明の騎士をイメージしました。
性別:男性
名前の由来:貴女を待つ(花言葉)
性格 :なし
シスター
シスターについて
雪が似合う女性のコンセプトです。慈愛に溢れていて、誰に対しても優しく献身的で笑顔を見せてくれるとても心優しい修道女をイメージしました。
性別 :女性
名前の由来:希望、あなたの死を望みます(花言葉:本名はストーリー終盤に判明)
性格 :とても心優しく献身的
ヒペリカム
ヒペリカムについて
ミステリアスでかっこいい女性のコンセプトです。更に冥界の存在や魔物に強い死神&悪魔祓いのイメージまでつけてカッコ良さの塊みたいな印象にしたのですが、中身はややポンコツ気味というギャップで固めました。
性別 :女性
名前の由来:悲しみは続かない(花言葉)
性格 :すごく真面目だけどどこか抜けてる。
「虚灯のセレスティア」
この物語を言葉で表すならば「祝福」でしょうか。どんな人にも「祝福」を施せるシスターは私にとって「信じたい理想」であり「信仰している偶像」です。
特殊な家庭環境等での例外はありますが、誰しもが親に望まれ、その誕生を喜こばれるという「祝福」を受けて生まれてきます。そして、歳を経る毎にまたその生まれてきてくれたこと、無事に生きて存在してくれる喜びを「祝福」して祝い、そして亡くなる時も家族に見守られ、惜しまれるという「祝福」を受けて旅立っていきます。私の思う理想の人生、理想としての人としてのあり方はそういったものであると考えています。
「祝福」とは「その存在を肯定される想い」であり、「加護」です。きちんとその「加護」を十分に与えられてきた人は「自己肯定感」が育まれ、次第に自分の人生を自分の意思のみで歩めるようになっていくのです。
シスターはどんな旅人にも「祝福」を与える存在であり、旅人を励まし、罪を受け入れ、そして正しき肯定への道へと悟す存在でした。彼女の与える慈悲深き温かさは旅人が窮地を越える為の「祝福」でありほんの少しでも「絶望」に飲み込まれないように勇気を与える「加護」なのです。
ネームドエネミー達もそうした彼女の「祝福」に励まされた存在であり、彼らにとってシスターという存在は「希望」でした。でも彼らはそんな強く輝かしい「希望」に魅入られ、旅の終わりの運命を受け入れて彼女の側に居続けることを望んだ存在です。彼らは「命として」は救われませんでしたが、「魂として」は救われました。
私は「祝福」が好きです。誰もが肯定されて欲しいし、誰もが思う幸せであって欲しいし、幸せな結末であって欲しい。でも、自身が与えた救いが人の運命へ態度を変えてしまい狂わせてしまうのかもしれないし、また、施された幸福というものが、与える側としては実はどこかで大きな負担になっているのかもしれない。時々、人に手を差し伸べること、差し伸べられることが怖いと感じることがあります。救いとは何でしょうか。幸せとは何でしょうか。幸福な結末って、なんでしょうか。悪の結末もまた、善意で舗装されているものです。私は未だに「祝福」を与えることとその責任について問い続けています。
それでも私は、誰もが「祝福」を得ていて欲しいと考えています。だから私は人を否定しないし、受け入れるし、丁寧に褒めて、その人の望む未来へと少しでも近づけるように応援したいですね。「祝福」は私がいままでどんなに欲してもなかなか手に入れることが出来なかったものなので。
温かい応援の言葉や熱い気持ちのこもったレビュー、感想、いつも大事して時折見返して読んでいます。私は作品作りを通して初めて「祝福」を当たり前に手に入れることができるようになった気がします。やっぱり創作はやめられませんね。