「弔いに花束を」の舞台

大陸から隔離されし「呪われた島」

水の時代の大雨により多くの土地が海に沈んだ。大陸から切り離されたその島には、かつての世界を狂わせたとある魂が眠るという。

彷徨いの森

さまよいのもり

島の東側にある大きな森



名前の由来通り、人を惑わすと言われる森ではあるが、

封鎖された深部にさえ立ち入らなければ迷うことはない。

今となって彷徨うのは、魔物と化した亡霊達のみ。

無明の深淵

むみょうのしんえん

朝焼けの街の地下に潜む澱み

人が集う場所には、様々なものが集うという。

しかし、それは全てが善というわけではない。

光が射せば影が出るように、相反するものは必ず生まれる。

喜びの影に怒りがあり、楽しみの影には悲しみがある。

それは決して切り離すことはできないもので、

どんなに綺麗に取り繕おうにも、蓋をして隠そうにも、

見えない陰で、それは澱みを深めていく。

決してそれから、目を背けてはいけない。

海鳴りの磯廻

うみなりのいそり

哀しい怪物の伝説

「海の水は何故しょっぱいのか?」

その問いに、この島に伝わる民話はこう答えている。

「それはここに住む怪物の涙であるから。」

この話に関しては島の者なら誰でも知っている話。

しかし、島外の者ならこんな疑問を感じることもあるだろう。

「何故、その怪物は泣いているのだろうか?」

残念ながら民話の中には答えは無かった。

島の者に尋ねても、誰も知らないという。

誰も知ろうともしない、孤高の哀しみに、

今日も怪物は泣いているのだろうか。

空華の彼方

くうげのかなた

滅びた黄金の都


ここにはかつて、とても繁栄した国があったという。

鉱山から採れた良質な金塊を惜しみなく使い、

この島の全てを支配し、欲しいままの栄華を極めたいう。

しかし、それは長くは続くことはなかった。

鉱山の金塊を全て採り尽くしてしまったのだ。

国が砂に埋もれるまで、そう時間はかからなかったという。

今となっては、その真偽さえも分からないよくある御伽噺。

冒険者はその蜃気楼に、今日も挑み続ける。

輪廻の塔

りんねのとう

ジャバラ教の総本山


大陸から迫害されし異端の宗教「ジャバラ教」

彼らが信奉するは、不滅とされる黒き神。

決して朽ちることのない魂に、人々は不死を願った。

しかし、不死であることは終わりが無いことの絶望である。

永遠と繰り返される輪廻は、魂を縛り付ける枷である。

それを知ってか知らぬか、それでも魂を捧げる者は後を絶たない。

驕傲の夢跡

きょうごうのゆめあと

欲望の成れ果てへの入口

昔々、金塊が沢山採れる鉱山があった。

人々はそれで財を成し、国を発展させ、贅の限りを尽した。

国がまだ小さな村だった頃の古い住人達は知っていた。

それが永遠には続くものではないことを。

それが争いの火種になるということを。

その意味が未来を食い潰しているという事実を。

しかし、彼らはそのまま滅亡へ突き進んでいった。

一度踏み出し、加速した欲望を止める術だけは、

誰も全く知らなかったのだから。

夢幻の幽世

むげんのかくりよ

誰かの異界の箱庭

この島の噂によると、港町には異界に繋がる門があるという。

しかし、その真相を知る者はいない。

そこへ行ったら最期、誰も帰ってこないからだ。

ある者は「そこは極楽であり、帰りたくなくなるから。」と、

またある者は「そこは地獄であり、怪物に食われるから。」と、

老若男女が各々にその憶測を囁いた。

しかし、その真相も誰も知らない。

誰もそこには行ったことが、辿り着いたことがないからだ。

でも何故だろうか、誰も帰ってこない、誰も行ったことがない。

何故そんな存在について、人々は知っているのだろうか?

原罪の山脈

げんざいのさんみゃく

貪欲の果てに生まれた穢れの地

昔々、鉱山から採れる残り僅かな金塊を巡って、

この地を境に大きな争いが起きた。

故に、この地は多くの者の血と魂を啜ったという。

そしてそれらは混ざり合い、一つの怪物を生んだ。

怪物は新たに人の血と魂を貪欲に欲し、

山道に入った者をあらゆる不幸で殺し、見境なく食った。

怪物に疲弊し摩耗した人々は争い止め、

山の頂上付近に教会を立てて怪物を鎮めた。

しかし、それだけでは終わらなかった。

それだけに、この地で犯した罪はあまりにも深いものであった。

禁止区域

きんしくいき

人を惑わす森の奥地

今は誰も立ち入らぬ、封鎖された「彷徨いの森」の深部。

立ち入った者の感覚を惑わすことでも知られており、

「彷徨いの森」の名前の由来でもあるとされる。

しかし、かつてはそこにも村があり、

村の者は、その森の歩き方を知っていたという。

村が滅びてしまった今、それを知る者はいない。

村人達の魂は、今も森を彷徨っているのだろうか。

玉響の痕跡

たまゆらのこんせき

かつての人の栄華の残香

この島にはかつて、多くの村や街があったという。

この街もその一つであった。

多くの村や街が消えた要因の一つに、

人々が魔法を失ったという伝説がある。

かつて、人々の多くは魔法の力を使い

魔物に対抗し、村や街を守っていたのだ。

しかし、ある日を境に人々は魔法を失ったという。

病であるのか、環境の変化であるのか詳しく判っていない。

ただ判っているのは、この街が蹂躙され滅びるのに、

そう時間がかからなかったということだけである。

我々の存在は、とても儚いものだということを忘れてはいけない。

追憶の館

ついおくのやかた

竜の血を持つ魔女の館

この館に住まうのは炎の魔女ローズマリー嬢である。

彼女は恐らく混血ではあるものの、神話の時代における

「原色の三部族」の一つである「緋炎の民」の血を引いており、

現代でもなお強い魔法の力を持つ希少な存在である。

「緋炎の民」は竜と強い関わりを持つ一族であり、

竜と血を分けた人種でもあると言われる。

伝説では、血の魔力の暴走による竜化が起きることがあり、

一族にはその清算の為の竜殺しの秘技が伝授されるという。

罪の冷凍庫

つみのれいとうこ

全てのはじまりと終わりの地


それはとても、とても古い御伽噺。

昔々、まだ神々が地上にいた頃、

世界の理に抗ったものがいた。

死や時さえも超越できたというそれは、

運命だけには抗えず、この地で眠りについたとされる。

天淵の泉門

てんえんのせんもん

人を拒む秘境への道


この島の秘境である「最期の花園」へ通じる唯一の道である。

しかし、非常に天候が悪く、また凶悪な魔物も多い為、

昔から多くの人間を阻んできたとされる。

今までの記録においても、ここに挑み、帰って来なかった者も多く、

黄泉の国への一方通路に喩え、この名で呼ばれるようになった。

最期の花園

さいごのはなぞの

花咲く最後の秘境

この島にあるとされる最後の秘境である。

ここから生還した者は数少ないが、未拓の地であるため、

多くの新種の花が発見されると言われる。

死の淵に陥った者を救う「希望の花」

壊滅しかけた冒険者の窮地を救う「不屈の花」

死霊に対し効力を持つ「弔いの花」

これらは全てここで発見され、栽培されたものである。