世界に漂う澱んだ色素体そのもの。
循環せず溜まり濃くなりすぎた色素に強い意志が作用し具現化して
世界に干渉し続けようと動き出した存在。
多くの物語で語られる亡霊などもまたその類ではないかとされるが定かではない。
魔物として分類され恐れられている影たるこの存在は、
肉体を喪い思念体となった死者とも、
生きたまま色素の澱みに飲まれた人間とも、
とある過去や並行世界の残滓や残影ともいわれる。
全ての色を飲み込み、塗りつぶし、何色にも侵されることないその存在は、
時代や地域においては「消えることのない永遠たるもの」として
信仰の対象とされていたこともあった。