弔いに花束を

作品コンセプト

この作品のコンセプトは「広い世界を走り回り冒険するRPG」であり、イメージワードは「花」、テーマとしては「死と永遠の生による命の価値観の対比」をイメージして制作したプロトタイプ版です。世界観としてやや暗めで、頭を空っぽにして遊ぶというよりはメッセージ多めなものです。

世界観を重視し統一感を出すためにBGMはM-ART様の曲で統一、ダークな感じを演出するためモンスター素材はマゼラン様のものを多用しました。

システムとしては、アーカイブ(ゲーム内では【Named】の魂)を集めることで「広い世界の走り回る冒険をプレイヤーに体験させる」ことに重点を置き、前作の長編RPG試作【MAOtube】はランダムエンカウント制システムがマップ探索においてかなりのストレスとなった反省点からシンボルエンカウント制システムの開発を行いました。この作品の制作に使用したスマイルゲームビルダーのデフォルト機能では一度敵を倒すと敵は復活しないため、復活用のイベントを設置することで何度でも敵と戦えるシンボルエンカウント制を実現しました。

また戦闘においてもデフォルト機能ではHPとMP、であり、コマンドも「攻撃、防御、スキル、ためる」くらいしかなく、協力技や庇うといった連携機能もないため戦闘戦略の幅が非常に狭いものでした。故にボス戦などは単調な殴り合いとなってしまうという欠点があったのでMP概念を改造し戦闘中の行動でためるというTP制バトルとすることで、「リソース管理」を戦略として組み込みました。仲間同士で技発動のためのポイント「ソウル」を補充しあったり、回復してカバーしあう「協力するRPG」を目指しました。仲間ひとりひとりに役割分担があり得意属性があるので、敵との相性を考えて誰が補充役となり誰が火力役、回復役となるかがこのゲームの攻略の最大ポイントとなっています。

余談ですが、小技ネタとして、「ソウル」を仲間ひとりに集中させて「待機」コマンドで溜めをして大技発動すると最短で敵に大ダメージを与えることができます。

シナリオ

この作品の最初の構想案としては、「花=葬式=死」というイメージとなった世界で、花売りの主人公が世界の街や村を回り、魔物化した亡霊を花の力で弔っていくというどちらかと言えば旅のエクソシストみたいな内容であり、システムとしてはストーリーよりハスクラ寄りの内容を予定していました。しかし、それでは「このゲームの終わり」すなわち「冒険の終着点」をどうするのかが思いつかないので、後付けとして「子が親を捜す話」という程で進めることにしました。ちなみにおまけ部屋でも語ってはいますが、本来の主人公はナズナではなく母のカーネーションが主人公の予定でした。

世界観については、学生の頃に長年設定資料書いてそして頓挫した「悠久のセツナ」というファンタジーライトノベルの世界観をそのまま引用し、その世界の「派生IF未来編」という設定になっています。「悠久のセツナ」はキャラクターの持つ「色」がその世界における魔法概念みたいなものであり、「色」がかなり重要なキーワードになっていますが、そもそも「悠久のセツナ」が「誰にも語られずエターナル化(頓挫)した物語」なので、正直なところ説明不足な点がかなり多く、分かりにくいところが多かったように思います。

キャラクター

キャラクターを本格的に作成し、ゲーム内の世界を歩かせたのは今回初めての経験だったと思います。故に今作ではちょっと人格面での掘り下げが足りなかったな感というか、「生きている存在」としての作りこみが甘かったと思います。なんというか、「そのキャラ自身の意思」というよりも「シナリオ上の都合」で台詞を吐かせている感がありました。作り手としてはもっと生き生きとした「命」を与えてあげたかったです。

キャラクターのイメージはVカツでざっくり作成し、それを元に黒山様に描いていただきました。(ホオズキ、カザハナについては差分無しなのでVカツキャラをそのままイラスト風に加工したものです。)

ナズナ

ナズナについて

元気いっぱいのやや幼く見えがちな女の子をイメージしました。

歳 :15 性別 :女性

名前の由来:あなたに全てを捧げます(花言葉、母が娘に対しての遺した想い)

性格 :明るく活発でどんな時も明るく振舞おうとする。あまり深くは考えない性格であり、疑うことをしないため旅をするには世間を知らずで幼稚な面があるが、素直で純粋ともいえる。

ハルジオン

ハルジオンについて

まじめで流されがちな苦労人をイメージしました。でもやるときはやれる男の子。

歳 :17 性別 :男性

名前の由来:追想の愛(花言葉、モブキャラとして登場する姉のストケシア、主(女性)のローズマリー共に「追想、追憶」がコンセプトになっている)

性格 :真面目で誠実。礼儀正しいが柔軟な考えもできる。話すより聞くほうが好き。あまり強気ではなく、女性の尻に敷かれるタイプ

カミルレ

カミルレについて

頑張り屋なお姉さんをイメージしました。なんだかんだで人を甘やかしてしまいがちなタイプです。

名前の由来:逆境で生まれる力(花言葉)

歳 :18 性別 :女性

性格 :心優しく包容力があるが、優し過ぎて色々と抱え過ぎてしまいやすい性格。頼られたいらしくナズナやハルジオンに対して姉のように振舞おうとするところがある。

ホオズキ

ホオズキについて

文武両道なキャラです。見た目も声も若めだけど、言うことやることがちょっとおじいちゃんっぽい人です。

歳 :数百年は生きてる 性別 :見た目は男だが不明

名前の由来:偽り(花言葉、「人を為す」人を偽る人でない仮面の存在)

体格 :素顔はなく仮面。登場人物の中では一番背が高め。武人であり、細マッチョみたいな感じ

性格 :武人でありながらも長く生きているため思想家な面があり考え事が好き、自らは話すことは少ないが、耳を傾けてあげると長々と語りだすタイプ

カーネーション

カーネーションについて

かっこよくて頼れる女性といったイメージです。母は強し。

歳 :25~35くらい(回想や過去編を含めるので年齢に幅あり) 性別 :女性

名前の由来:純粋な愛(花言葉、シベリアは白いカーネーションの品種の名前、母と子の絆の象徴)

性格 :好奇心旺盛で研究者気質。仕事とか効率良くできるタイプ

カザハナ

カザハナについて

謎の多い仮面の女性。歳や素顔の話はあまりしない方がいいらしい。

名前の由来:雪の音、雪の花、消えゆく運命、儚い命

歳 :16(見た目) 性別 :女性

性格 :冷静で淡泊な性格。なんだかんだで世話焼きではあるものの、時には冷徹ともいえる判断も躊躇なくする。

「弔いに花束を」の舞台