2025.09.19|Fri.
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東洋大学健康スポーツ科学科、竹村ゼミの紹介をしたいと思います。竹村ゼミは、スポーツ哲学・スポーツ倫理学のゼミになります。まずは、「スポーツ哲学」「スポーツ倫理学」について簡単に説明したいと思います。
「スポーツ哲学」とは、スポーツとは何か、という問いについて原理的に探求していく学問です。たとえば、「フィギュアスケートはスポーツだけれども、バレエはなぜスポーツではないのだろうか?」「囲碁や将棋はスポーツだろうか?」「eスポーツとゲームの違いはなんだろうか?」など、素朴な身近な疑問から、スポーツ概念の内包と外延について考察していきます。このような問いは、スポーツの本質について考える作業につながりますが、そもそもスポーツに本質はあるのだろうか、という問題についても哲学的に考察していきます。このような根本的な問いをベースに、eスポーツのオリンピック種目導入の可能性について、体育科教育における教材選択の基準など、現実社会のリアルな問題に対して答えを見出す応用的考察をすることもあります。
また、スポーツ倫理学では、より現実社会におけるアクチュアルな課題について取り組みます。たとえば、「ドーピングはなぜしてはいけないのか?」「トランスジェンダー選手の参加資格について」「運動部活動における暴力・ハラスメントの問題について」など、スポーツ社会における正義をめぐる問題について取り組んでいきます。
このような興味関心から、竹村ゼミでは、学部生・大学院生とともに、原理的研究について学ぶとともに、実践的活動も実施しています。実践的活動としては、たとえばボッチャ競技を通してインクルーシブ社会の実現について検討することや、スポーツ指導における哲学対話教育の実践などに取り組んでいます。スポーツをよりよい社会にしていくことのみならず、スポーツを通してよりよい社会の構築を目指して、理論研究・実践活動の両面より取り組んでいます。