直接閲覧(SDR/SDV)を始める時には、必ず最初に同意書を確認します。なぜなら、説明同意文書の中に、 直接閲覧に関することが書かれており、同意書に同意することによって、直接閲覧にも同意したことになるからです。つまり、被験者が署名した同意書が保管されているかどうかを最初に確認しないと、モニター(CRA)がカルテ等を直接閲覧することはできません。
そして、その署名が被験者本人であるかどうか、署名した日付が治験契約期間内で、同意日と説明日の整合性が取れているかを確認します。署名が被験者本人であるかという確認は、この時点では実際には難しいのですが、筆跡を見て、説明した協力者や責任医師・分担医師、あるいは他の被験者の同意書とは違うことを確認しておきます。その後、実際に治験が始まったら、患者日誌や、カルテ内の手術同意書等、同じ被験者の筆跡と比較して同じであることを確認しておきます。
それから同意日の カルテを閲覧し、その中に、治験の参加に同意したことが記録されているかどうかを確認します。つまり、同意書の同意日には、被験者は間違いなく来院していたという事実の確認です。
また、説明した医師が責任医師か分担医師であることを確認します。それ以外の者が治験参加の同意説明を実施することはできません。分担医師である場合は、分担医師・協力者リストに載っていることが必要です。デリゲーションログを作成している場合には、そこにも載っていて、業務開始日以降に同意説明した日付があることを確認しましょう。 補助説明をした治験協力者についても同様の確認をします。分担医師・協力者リストに載っていない人や、載っている人でも、業務開始日より前に治験業務を行うことはできません。
代諾者が必要な被験者の場合には、 代諾者の同意を得ているかどうか、公正な立会人が必要な場合には、立会人の署名・日付があるかどうかを確認します。
さらに、被験者スクリーニングリストや被験者識別コードリストに記載された同意日等の情報が整合しているか も確認しましょう。
そして、モニタリングから外してはいけないことは、説明同意文書の版数が最新版であるかどうかのチェックです。文書同意に使用する最新版というのは、責任医師が作成して、IRB で承認を得たもので、最も新しい版です。 もしも誤って古い版の説明同意文書を用いられてしまうと、最新版を使いように規定しているGCPに違反します。そうならないように、同意説明文書の改訂があって、新しい版がIRBに承認されたら、古い版は 廃棄をするか、別の場所に保管をするなどして、誤まって古い版が使われないように対策を講じておきましょう。