治験中に、治験実施計画書や同意説明文書、治験薬概要書の変更がある場合には、改めてIRBの審査が必要になります。このときCRAは、変更申請書(統一書式10)を作成し、これに添付する形で、改訂資料を医療機関の長へ提出します。
ただ改訂される資料により、個々の手続きは少しずつ変わります。例えば、治験実施計画書が改訂される場合は、長へ提出するよりも先に、責任医師との再合意が必要ですし、治験薬概要書の改訂では、その内容によっては、安全性情報が発行されたときと同じように、責任医師の見解を確認する必要があります。さらに、同意説明文書を改訂する際には、改訂時に責任医師等から被験者へ情報を口頭で伝えて、治験継続の意思を確認し、文書に記録しておくことが必要で、IRB承認後には、改めて被験者より文書同意を得なければなりません。
その他に、責任医師や分担医師の変更時にも、変更申請が必要です。責任医師が変更される場合には、IRB手続きを行うよりも前に、新しい責任医師候補の適格性の調査や履歴書の入手、プロトコルの合意、新しい責任医師候補の作成した分担医師・協力者リスト、同意説明文書の入手などが必要です。治験変更届の提出は事前になり、契約変更も必要ですので、社内のプロジェクト責任者への連絡は、変更することが判ったらすぐにしておきましょう。分担医師の場合は、ここまで複雑ではなく、更新された氏名リストを入手して、これを変更申請書に添付して長へ提出します。治験変更届は事後1年以内で構いません。なお、協力者の変更は、IRBの審議対象ではなく、治験変更届も不要です。