同意については、同意書の確認だけではなく、同意の手順が適切だったかどうかも確認します。 例えば説明時間が十分だったかどうか、10分程度で簡単に説明しただけで同意を取得していたのでは十分とは言えません。被験者から質問があった場合には、適切に答えているかどうか 、説明をした後に、 被験者が治験に 参加するかどうかを考えるのに十分な時間が与えられていたかどうかを確認します。説明をした当日に同意されている場合は、説明をした後、被験者が考える時間を十分に与えられていたかどうか、残された書類だけではわかりませんので、同意説明を行った責任医師・分担医師や協力者から聞いて、確認をします。
被験者の同意能力については、治験関連の様々な書類に記入するのに十分なレベルの読み書きができて理解力があるかどうか、 精神疾患や知的障害などがないかどうか、治験参加の動機が消極的ではないか、治験参加への同意取得の妥当性に問題がないかどうかなどを確認します。
精神疾患や知的障害、認知症などで同意能力が無い場合には、代諾者が同意しており、その代諾者の適格性に問題がないかどうか 、目が見えなかったり耳が聞こえなかったりする場合には、 公正な立会人も署名しており、その立会人が適格であるかどうかを確認します。 特に、視力障害や聴力障害は、プロトコルの除外基準に記載がないからといって、 施設スタッフもCRAも確認を忘れているケースがあります。視力障害・聴力障害がある場合に、公正な立会人無しで同意が取得された場合はGCP違反です。
糖尿病性網膜症などの視力障害や、難聴など聴力障害の可能性がある疾患を合併している場合には、必ず、見えているか、聞こえているか確認をしましょう。