バイタルサインについて確認する内容は、基本的には臨床検査と同じです。原資料の有無、実施日、異常値、悪化変動、評価した人の署名・日付等です。バイタルサイン特有の注意事項としては、測定値が複数ある場合があります。複数ある測定値のうち、どの値を治験のデータとして採用するかが、作為的であってはいけません。例えば、2回測定した内、良い方を採用するというのは、適切ではありません。常に2回目の値を治験データとするなど、一定のルールに基づいてデータが取得されていることを確認します。そして、原資料が何になるのかについても注意が必要です。血圧計から印字されるもの、血圧を測定した人が最初に記載するメモ、カルテ、ワークシートなど、様々なものに記録される可能性がありますので、何が原資料になるかということを特定しておきましょう。もし特定していないと、同じVisitの測定値が複数の場所に記録されていて、それらが一致しない場合、何が正しいのかがわからなくなります。また、プロトコルによっては、他の検査との順序の関係で、測定時刻の記録が必要な場合もありますので、そのような場合には測定時刻の記録があるか、その時刻が適切かどうか確認します。