プロトコルによっては、通常の臨床検査の他に、薬物動態に関する検査(PKといわれます)と、遺伝子解析用の採血(PGxと呼ばれます)、それから血液での妊娠検査を実施する場合があります。
薬物動態に関しては、その採血の時間が、例えば服薬後60分から90分後などと規定されていますので、その時間内に採血をされているかどうかの確認をします。また通常、PK用の検体は、冷却遠心をして、凍結保存で検査機関へ搬送しますので、そのような正しい手順が守られているかどうかも確認します。
そして、遺伝子解析用採血、PGxについては、治験参加の同意とは別に、PGx採血に関する文書同意が必要です。したがって、その同意書が有るかどうかを必ず確認しましょう。もし同意無しに採血をしてしまうと、大変な逸脱になります。そのようなミスが起こらないように、PGxの同意を取得していない被験者の採血の際には、中央測定の検査キットの中から、予め遺伝子解析用の採血管を抜いておくなど、逸脱を防ぐ措置を取っておくべきです。
さらに血液妊娠検査については、妊娠の可能性がある女性のみが対象です。プロトコルによっては、尿検査も規定されていて、尿での結果が不確かな場合のみに実施することもあります。それ以外の被験者では誤って妊娠検査分の採血をしてしまわないように、これもPGxと同様に、妊娠検査が不要な被験者の検査キットの中からは、妊娠検査用の採血管・分注管を予め抜いておき、不要な採血の予防措置を取るよう、施設に伝えておきます。