1例目が何月何日に同意が取れそうで、治験薬の投与開始はいつ頃になりそうかといったプランは、スタートアップの時に、医師やCRCと打ち合わせておきましょう。
その理由の一つは、最初の被験者がエントリーされるまでに、エントリーするために必要な準備を完了しておく必要があるからです。 例えば、スタートアップミーティングを欠席された分担医師や協力者がおられる場合、欠席したままでは治験業務が行えません。治験業務を開始するためには、その業務に関する資料と説明を受け、その記録が有る必要があるからです。そのような記録がないまま同意説明などの治験業務を始めてしまわないように、最初の被験者が登録される前に、欠席者に対するフォローを行わなければなりません。
また、施設の方が使用するシステムのアカウントの手配や、症例管理ファイルなどの資材、臨床検査キットの搬入、各種検査機器や冷凍・冷蔵庫の貸与が発生する場合には、それらの搬入も、最初の症例登録までに完了しなければなりません。
さらに、目標症例数の早期達成は、その治験依頼者にとっても、その薬剤の市販を待ち望んでいる患者さんにとっても、大きな課題です。契約した症例数を、症例登録期間内に登録できるプランを立てて、それを管理していくことは、CRAの重要な仕事の一つです。特に1例目に関しては、どのような被験者をエントリーすれば良いか、どのような手順を踏んでいけば良いか、施設スタッフの中でイメージができていないと苦戦しますので、よく打ち合わせをしておきましょう。
エントリーが振るわない場合は、何が問題かを把握できるように、施設とのコミュニケーションが途絶えないようにしましょう。CRAがハブとなって、社内や施設スタッフと協議しながら、解決を図っていきましょう。